男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

冷たい夜の空気が満ちている道へ、足を踏み出した。



冷たい風がウィッグの毛先を揺らす。


街灯の光が、足元に細長い影を作る。



怖い。


けれど、止まれない。



歩き出す。


誰にも見つからないように。


誰にも知られないように。



それでも胸の奥で、何かがずっと叫んでいた。
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