男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

琉生の言葉に、苦笑いを返すことさえもできなかった。



琉生は一歩近づき、私のパーカーの袖をつまむ。


「これ、ぶかぶかだね。凪くん、寒がりなの?」



身体が強張る。


「……普通です」



琉生は袖を持ち上げるようにして、指先を覗こうとした。



「……っ」


反射的に手を引く。



「……やっぱり、隠してる」


琉生が楽しそうに笑う。
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