男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

宗雅は浴室の扉を開け、短く言う。


「俺以外全員入った。時間を気にする必要はない。上がったら俺に言え」


「……はい」



浴室に足を踏み入れた。



湯気が肌にまとわりつく。


床はまだ温かい。


浴室の鏡に映る自分は、ひどく怯えた顔をしていた。



扉を閉め、鍵をかける。


カチャン。


その音で、少しだけ息ができた。
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