男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

大丈夫。


大丈夫。



……嘘つき。


大丈夫じゃないくせに……。



水を止めて、湯船に入ることもせずに、ただ身体を洗って急いで出た。



浴室の外に出ると、廊下には宗雅がまだ立っていた。


濡れた髪、正確には濡らしたウィッグをタオルで拭きながら、宗雅の前に立った。



「……上がりました」


宗雅が私を見下ろす。



「……早すぎる」
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