男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

ウィッグの中が少し蒸れる。


目線を落として、口をぎゅっと結ぶ。



鏡で見た“少年”の姿を思い出して、自分の顔を無表情に固めた。



笑ったら、終わる。


声が揺れたら、終わる。



男になりきれ。


生き残るために。



電車に揺られて、数十分。


目的地の駅に降り立って周りを見た瞬間、思わず足を止めた。
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