男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

……早い。


早すぎる。



宗雅も同じことを思ったのか、声を落として何か言っていた。


月城は俯いたまま、逃げるように自室へ戻っていく。



その背中を見て、俺は思った。


この寮で一番危ないのは、月城だ。



隠し事をしているからじゃない。


弱いからでもない。



限界を超えても「大丈夫」って言うからだ。


ああいう奴は、壊れる時は一瞬だ。
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