男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。
無理やり口角を上げてみたけど、すぐにやめた。
笑顔は慣れていない。
ドアを開けて廊下に出ると、ダイニングの方から声が聞こえる。
「凪くん、来ないね。まだ寝てるのかな?」
玲央の声だ。
足を止めかけたけど、ダイニングに向かって歩き出した。
朝食の匂いがした瞬間、胃がきゅっと縮む。
……まただ。
昨日も食べられなかったのに。
今日も食べなかったら、さすがに変に思われる。