男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

違う、違う……。


あれは、笑い声だ。



視線を落として、歩く速度を速めた。



すると、正面からスーツ姿の男性が近づいてきた。


「君が、月城凪咲くんだね」



反射的に肩を強張らせた。



大きい声ではない。


落ち着いた、事務的な声。



それでも、心臓が跳ねる。



『……はい』


できるだけ声を低くして、短く返事をした。
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