男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

廊下は長くて、やけに静かだった。



足音だけが響く。


その音が怖くて、自分の呼吸を抑えた。



宗雅がふいに足を止める。


「……月城」



『はい……っ!』


ビクッとして返事をした。


声が裏返りそうになるのを、必死で抑える。



宗雅が振り返って、じっと私を見た。


「……お前、落ち着け」
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