男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

宗雅はドアの前で言った。


「今日からここがお前の部屋だ。

必要なものは後で支給される。これは寮とお前の部屋の鍵だ。失くすなよ」



受け取って、頷いた。


『……ありがとうございます』



宗雅は一瞬だけ私の顔を見た。


その視線は冷たいのに、どこか引っかかるような色があった。



「……礼を言う必要はない」


そう言い残し、宗雅は踵を返した。
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