男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

私には……遠い世界。


窓ガラスに指先を当てた。



この学園で、男の子として生きる。


この寮で、秘密を守り続ける。


できるかな……。



『……大丈夫』


小さく呟く。



『大丈夫……』


もう一度、自分に言い聞かせるように呟いた。



その言葉は、安心のためじゃない。


崩れそうな自分を、必死で繋ぎ止めるための言葉。
< 43 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop