男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

でも、私にとっては、何よりも大切なものだった。



手で包むように握ると、安心する。



役に立つわけじゃない。


守ってくれるわけじゃない。



ただ、ひとりじゃないと思える。



外からは見えないように、ウサギを制服のポケットに大切に入れる。



その瞬間。


コンコン、と控えめなノックの音が響いた。



身体がびくりと跳ねる。
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