男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

軽口を叩き合う二人の会話が、私にはとても眩しく見えた。



普通の会話。


普通の口喧嘩。



私には、遠いもの。



そのとき、廊下の奥からまた足音が響いた。


反射的に背筋を固める。



現れたのは、九条宗雅だった。


宗雅は近づいてくると、冷たい視線で全員を見渡した。
< 57 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop