男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

バッグを肩にかけた。



重さはほとんどない。


なのに、背負った瞬間、身体が沈む気がした。



玄関へ向かう。


床板が鳴らないように、つま先で歩く。



一歩ごとに、心臓が痛いほど脈打つ。


鍵を回す手が震えて、金属が小さく鳴った。



その音だけで、全身が凍りつく。



見つかる。


怒鳴られる。
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