結婚したら義母3人と夫の愛人2人が屋敷に住んでいました(全員まとめて追い出します)【短編】





「な、な、な……なんですかっ!?」

「なにって、今日は初夜だろう? だからやってきたのだが」

 目を剥いて、震えるディアナ。
 彼女の前にはバスローブ姿の夫と、フリフリのネグリジェを着たローゼ、そしてセクシーなネグリジェを着たシャルロッテが立っていたのだ。

「な……なぜ、二人もここに……!?」

「なぜって、これから初夜だからな。全員で楽しむのは当然だろう」

「はぁっ……!?」

 信じられないという顔で夫を見る。彼はさも当然のように真顔で首を傾げていた。

(いやいやいや、全員で楽しむって……。頭おかしいんじゃないの!?)

 呆然と突っ立っている妻を気にもかけず、アルベルトは愛人二人を伴ってベッドへ向かおうとした。

「やめてっ!!」

 次の瞬間、ディアナは咄嗟に硬い枕を夫に思い切りぶん投げた。

「いっ……!」

「アルベルト様!」

「きゃあっ!」

 それは彼の顔面にクリティカルヒット。彼は突然の攻撃にバランスを崩して、派手に尻もちを付いた。

「アル様になにするの!」

 ローゼがきっとディアナを睨み付ける。だがディアナは、物凄い剣幕で彼らを怒鳴り付けた。

「なにするのですって……? それは、こっちのセリフだわ! 初夜を愛人と一緒に迎えるなんて前代未聞よ! あり得ない! 三人とも出ていってっ!!」

 ディアナはもう一つの枕を手に取り、夫と愛人たちを殴りながら寝室から追い出した。

 慌ただしく音を立てて部屋の扉が閉まると、たちまち静寂と寒気が彼女を包み込む。
 彼女はガタガタと震えながら、ぺたりと力なくベッドにへたり込んだ。

 最悪だ。
 最低最悪の男。
 こんな屈辱、生まれて初めてだった。

 愛人の存在を知ってただでさえ乗り気じゃない初夜だったのに、まさかその愛人をも連れ込むなんて。
 なんという変態男!

「……前言撤回」

 ディアナは、すぐに考えを改めた。
 自分が甘かった。あれは、言葉でどうこう理解できる男ではない。

 こうなったら。

「絶対に離縁してやるわ!!」


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