クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
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今岡キャプテンから瑞希が泣きながら俺を探していたと聞いて、彼女のことが心配で、俺はロンドンからの復路を他のパイロットに交代してもらい、パリに駆けつけた。そして俺は好きで堪らないという感情を生まれて初めて知った。
とにかく瑞希といると心が弾んで、浮かれて、何気ないことが特別なことに思えた。しかし、瑞希には『幻の彼』という想い人がいる。しかもその相手は同じ会社の副操縦士。それを思うだけで、胸の奥が焼けるように苦しかった。だから、柄にもない神頼みをした。
以前、CAからセーヌ川にかかるマリー橋の下で、恋人とキスをすると願いが叶うという話を聞いたことがあった。
俺はマリー橋の下で、瑞希とキスをし、契約が終わった後も瑞希と一緒にいられることを強く願った。
魂が溶け合うような熱いキスの余韻は、船が橋を通り過ぎた後も消えなかった。視線が重なるたびにまた瑞希の唇を奪いたくなる衝動を、俺は必死で抑え込んだ。
羽田行きの機内で、一人になれた時は気を抜けたが、今度は瑞希に会いたくて仕方なかった。スマホを握りしめ、何度も【会いたい】と文字を打っては消した。
女性との交際経験はそれなりにあるが、仕事を放りだしてまで女を追いかけたのは、瑞希が初めてだ。常に仕事を優先して来た通常の自分から考えればありえない。自分でも呆れるほど、彼女に溺れている。
何度目かのため息をついた時、手の中のスマホが震えた。期待に胸を躍らせて画面を開くが、そのメッセージに凍り付いた。瑞希の部屋が空き巣に入られたという信じがたい報せだった。
真っ先に父、高月誠一郎の顔が浮かんだ。
綾音と結婚させたがっていた父は、俺が瑞希と付き合っていることを知ると、「別れろ」と言って来たのだった。
もしかしたら瑞希と別れない俺への警告か。
今岡キャプテンから瑞希が泣きながら俺を探していたと聞いて、彼女のことが心配で、俺はロンドンからの復路を他のパイロットに交代してもらい、パリに駆けつけた。そして俺は好きで堪らないという感情を生まれて初めて知った。
とにかく瑞希といると心が弾んで、浮かれて、何気ないことが特別なことに思えた。しかし、瑞希には『幻の彼』という想い人がいる。しかもその相手は同じ会社の副操縦士。それを思うだけで、胸の奥が焼けるように苦しかった。だから、柄にもない神頼みをした。
以前、CAからセーヌ川にかかるマリー橋の下で、恋人とキスをすると願いが叶うという話を聞いたことがあった。
俺はマリー橋の下で、瑞希とキスをし、契約が終わった後も瑞希と一緒にいられることを強く願った。
魂が溶け合うような熱いキスの余韻は、船が橋を通り過ぎた後も消えなかった。視線が重なるたびにまた瑞希の唇を奪いたくなる衝動を、俺は必死で抑え込んだ。
羽田行きの機内で、一人になれた時は気を抜けたが、今度は瑞希に会いたくて仕方なかった。スマホを握りしめ、何度も【会いたい】と文字を打っては消した。
女性との交際経験はそれなりにあるが、仕事を放りだしてまで女を追いかけたのは、瑞希が初めてだ。常に仕事を優先して来た通常の自分から考えればありえない。自分でも呆れるほど、彼女に溺れている。
何度目かのため息をついた時、手の中のスマホが震えた。期待に胸を躍らせて画面を開くが、そのメッセージに凍り付いた。瑞希の部屋が空き巣に入られたという信じがたい報せだった。
真っ先に父、高月誠一郎の顔が浮かんだ。
綾音と結婚させたがっていた父は、俺が瑞希と付き合っていることを知ると、「別れろ」と言って来たのだった。
もしかしたら瑞希と別れない俺への警告か。