クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「ところで南雲さん、話は変わるのですが、僕、南雲さんの部屋に空き巣が入った日、広報の白鳥さんを近くで見かけたんです」
 思わず箸が止まった。
 まさか空き巣は彼女が仕組んだことだろうか?
「南雲さん、白鳥さんと何かトラブルになっていませんか? 僕でよければ相談に乗りますので」
 親身になってくれる水沢さんの言葉にありがたく思った時、制服のポケットの中でスマホが鳴った。
 電話に出ると、福岡行きの便で欠員が出たという連絡だった。ペアになるのは、隼人さんだった。
 先ほど飛び立ったB787は、隼人さんが乗った便じゃなかった。
「南雲さん、どうしましたか?」
 青ざめる私の顔を、水沢さんが覗き込んでくる。
「……福岡便で、欠員が出ました。今からすぐ入ります」
「南雲さん、すぐ行ってください」
 いつもの冷静なディスパッチャーの顔になった水沢さんがそう言った。
「じゃあ、あの、お金ここにて置いておきます」
 テーブルに代金を置き、私は慌てて店を飛び出した。
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