クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
 フライトバッグを持って、ブリーフィングルームに行くと、一番奥のカウンターに隼人さんがいた。

「南雲です。急遽、福岡便の副操縦士として入ることになりました。よろしくお願いします」
 隼人さんへの気持ちを封じ込め、出来る限りビジネスライクに一礼した私を見て、隼人さんがフッと笑みを浮かべた。
「急に呼び出して悪かったな、南雲」
 低く心地よい、聞き慣れた声だった。
「今日の福岡は天気が荒れる予報だ。お前の腕を頼りにしている」
 優しい瞳を向けられ、心臓が跳ね上がる。
「はい。全力を尽くします」
 私は激しく揺れる気持ちを何とか抑え込んで、隼人さんとブリーフィングを続けた。
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