クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
白鳥親子が逮捕されるというショッキングな事態に会場は大きな動揺とざわめきに包まれる。そんな中、隼人さんは深く息を吸い込むと、力強い声で八百名の社員たちに語り掛けた。
「皆様、大変お騒がせしました。我が社の記念すべき日に、このような不祥事を告発する形となったことをお許しください。一年前、志半ばで亡くなった樹常務はこの会社と、ここで働く社員の皆様を誰よりも大切に思い、愛していました。彼が生きていたら、現社長の後を継ぐ立派な経営者になっていたでしょう。弟として、一人の社員として残念でなりません」
隼人さんの言葉に、会場のあちらこちらから鼻のすする音が聞こえ始める。同じテーブルの今岡キャプテンも涙ぐんでいた。
「しかし、いつまでも悲しんでばかりはいられません。我々は亡き、樹常務の意志を引き継ぎ、何としても大切な会社を守っていこうではありませんか。私も若輩ながら、経営の道に進み、我が社の舵取りを行う覚悟を決めました。今後、このような不祥事が二度と起こらないよう、クリーンで強固な社内体制をしっかりと作り上げます。そして、世界中のお客様に安全を届け、愛され続けるスカイクレスト航空を皆様と共に目指したいと思います。どうか、私に皆様の力をお貸しください」
隼人さんが深く頭を下げた瞬間、静まり返っていた会場から、割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。それはステージ脇で項垂れていた高月社長や経営陣、今岡キャプテンを始めとする一般社員のみんなだった。誰もが涙を浮かべながら、全力で手を叩いている光景を見て、みんなスカイクレスト航空が心から好きなんだと思った。
会場を包む熱い一体感に私も感動が込み上げてくる。
鳴り止まない拍手の中、隼人さんはゆっくり顔を上げると、ステージを降りて、八百名の視線が集まる中、一般社員用のテーブルに向かって歩いてくる。そして、私の目の前で立ち止まると、隼人さんはフッと柔らかく目を細めた。
「迎えに来たよ。瑞希」
その瞬間、涙で視界が滲み、もう顔を上げていられなかった。
「南雲、良かったな! 本当に良かったな!」
隣で今岡キャプテンが大げさな拍手をしながら、何度も「良かったな」と自分のことのように声を震わせて言ってくれる。水沢さんも、温かい拍手で祝福してくれていた。
胸が熱くて言葉にならなかった。そんな私を隼人さんは優しく抱きしめる。彼のスーツの胸元に顔を埋めながら、心からの嬉し涙が流れた。
「皆様、大変お騒がせしました。我が社の記念すべき日に、このような不祥事を告発する形となったことをお許しください。一年前、志半ばで亡くなった樹常務はこの会社と、ここで働く社員の皆様を誰よりも大切に思い、愛していました。彼が生きていたら、現社長の後を継ぐ立派な経営者になっていたでしょう。弟として、一人の社員として残念でなりません」
隼人さんの言葉に、会場のあちらこちらから鼻のすする音が聞こえ始める。同じテーブルの今岡キャプテンも涙ぐんでいた。
「しかし、いつまでも悲しんでばかりはいられません。我々は亡き、樹常務の意志を引き継ぎ、何としても大切な会社を守っていこうではありませんか。私も若輩ながら、経営の道に進み、我が社の舵取りを行う覚悟を決めました。今後、このような不祥事が二度と起こらないよう、クリーンで強固な社内体制をしっかりと作り上げます。そして、世界中のお客様に安全を届け、愛され続けるスカイクレスト航空を皆様と共に目指したいと思います。どうか、私に皆様の力をお貸しください」
隼人さんが深く頭を下げた瞬間、静まり返っていた会場から、割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。それはステージ脇で項垂れていた高月社長や経営陣、今岡キャプテンを始めとする一般社員のみんなだった。誰もが涙を浮かべながら、全力で手を叩いている光景を見て、みんなスカイクレスト航空が心から好きなんだと思った。
会場を包む熱い一体感に私も感動が込み上げてくる。
鳴り止まない拍手の中、隼人さんはゆっくり顔を上げると、ステージを降りて、八百名の視線が集まる中、一般社員用のテーブルに向かって歩いてくる。そして、私の目の前で立ち止まると、隼人さんはフッと柔らかく目を細めた。
「迎えに来たよ。瑞希」
その瞬間、涙で視界が滲み、もう顔を上げていられなかった。
「南雲、良かったな! 本当に良かったな!」
隣で今岡キャプテンが大げさな拍手をしながら、何度も「良かったな」と自分のことのように声を震わせて言ってくれる。水沢さんも、温かい拍手で祝福してくれていた。
胸が熱くて言葉にならなかった。そんな私を隼人さんは優しく抱きしめる。彼のスーツの胸元に顔を埋めながら、心からの嬉し涙が流れた。