クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
長身の背中が私の前で立ち止まった。
「おい、離せ!」
響いた怒声を聞いて、ドクンっと心臓が跳ねた。
知っている声だった。五年前私を助けてくれて、今日、傍で何度も聞いた声。
「何だお前は? 関係ねーだろ!」
金髪男が逆上し、彼に殴りかかろうとするが、彼はそれを紙一重で交わした。そして、迷いのない動きで金髪男の襟を掴み、勢いよく投げ飛ばす。
巨体が宙を舞い、バタンと金髪男が道路に倒れた。
「行くぞ」
振り向いた彼の顔を見て、やっぱりそうだと思った。
「高月キャプテン!」
「話は後だ。金髪が追いかけてくるぞ」
呆然とする私の手首を掴むと、高月キャプテンは走り出した。
「待て!」
背後から金髪男の叫び声がした。
「待てと言われて、待つかよ」
走りながら高月キャプテンが零した言葉に、緊迫した状況下でも笑みが浮かぶ。
「南雲、全力で走れ。この近くに俺の知り合いの店がある」
「はい」
私は高月キャプテンに手首を掴まれたまま冷たい風を頬に受け、全力で裏通りを駆け抜ける。高月キャプテンが掴んだ手首だけはじんわりと熱い。
コートが触れるほど、すぐ近くで走る高月キャプテンの端整な横顔を見てさっきまでの恐怖が消える。この人といれば大丈夫だ。そう思わせる安心感が彼にはあった。
「おい、離せ!」
響いた怒声を聞いて、ドクンっと心臓が跳ねた。
知っている声だった。五年前私を助けてくれて、今日、傍で何度も聞いた声。
「何だお前は? 関係ねーだろ!」
金髪男が逆上し、彼に殴りかかろうとするが、彼はそれを紙一重で交わした。そして、迷いのない動きで金髪男の襟を掴み、勢いよく投げ飛ばす。
巨体が宙を舞い、バタンと金髪男が道路に倒れた。
「行くぞ」
振り向いた彼の顔を見て、やっぱりそうだと思った。
「高月キャプテン!」
「話は後だ。金髪が追いかけてくるぞ」
呆然とする私の手首を掴むと、高月キャプテンは走り出した。
「待て!」
背後から金髪男の叫び声がした。
「待てと言われて、待つかよ」
走りながら高月キャプテンが零した言葉に、緊迫した状況下でも笑みが浮かぶ。
「南雲、全力で走れ。この近くに俺の知り合いの店がある」
「はい」
私は高月キャプテンに手首を掴まれたまま冷たい風を頬に受け、全力で裏通りを駆け抜ける。高月キャプテンが掴んだ手首だけはじんわりと熱い。
コートが触れるほど、すぐ近くで走る高月キャプテンの端整な横顔を見てさっきまでの恐怖が消える。この人といれば大丈夫だ。そう思わせる安心感が彼にはあった。