クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「心配だね」
涼介さんの優しい言葉に鼻の奥がツンとする。
カウンターの端に飾られていたB787の模型飛行機が目に留まる。
「私がパイロットになりたいと思ったのは父の影響が大きいんです。父は重工メーカーで飛行機の翼を作る仕事をしていたんです。それでよく飛行機の構造について説明してくれて、いつか私も父が作った飛行機を操縦してみたいと思うようになったんです」
仕事から帰って来たばかりの父からしていた油と金属の匂いを思い出して、目頭が熱くなる。こんなに会いたいのに、どうして会えないのだろう。
「……家出か」
高月キャプテンがポツリと零した。
「本人の意思で出て行ったことだろうから、探すのは止めた方がいい」
高月キャプテンの言葉が信じられず、目を見開いた。
「どうして? 私はこんなに父に会いたいのに。父だってきっと会いたいと思ってくれています」
「会いたかったら帰ってくるだろう」
正論を言われて喉の奥がキュッと締め付けられる。
「隼人、もっとオブラートに包んだ言い方が出来ないのか?」
涼介さんの言葉を無視するように、キャプテンは冷めた瞳で私を見据えた。
「家を出たということは、家族を捨てたんだろう。そんな人間にしがみつく価値はないと思うがな」
――家族を捨てた。
――しがみつく価値はない。
その言葉が刃になって真っすぐ胸に突き刺さる。
涼介さんの優しい言葉に鼻の奥がツンとする。
カウンターの端に飾られていたB787の模型飛行機が目に留まる。
「私がパイロットになりたいと思ったのは父の影響が大きいんです。父は重工メーカーで飛行機の翼を作る仕事をしていたんです。それでよく飛行機の構造について説明してくれて、いつか私も父が作った飛行機を操縦してみたいと思うようになったんです」
仕事から帰って来たばかりの父からしていた油と金属の匂いを思い出して、目頭が熱くなる。こんなに会いたいのに、どうして会えないのだろう。
「……家出か」
高月キャプテンがポツリと零した。
「本人の意思で出て行ったことだろうから、探すのは止めた方がいい」
高月キャプテンの言葉が信じられず、目を見開いた。
「どうして? 私はこんなに父に会いたいのに。父だってきっと会いたいと思ってくれています」
「会いたかったら帰ってくるだろう」
正論を言われて喉の奥がキュッと締め付けられる。
「隼人、もっとオブラートに包んだ言い方が出来ないのか?」
涼介さんの言葉を無視するように、キャプテンは冷めた瞳で私を見据えた。
「家を出たということは、家族を捨てたんだろう。そんな人間にしがみつく価値はないと思うがな」
――家族を捨てた。
――しがみつく価値はない。
その言葉が刃になって真っすぐ胸に突き刺さる。