クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「父はそんな人じゃありません!」
高月キャプテンを激しく睨むと、冷静な双眸は物分かりの悪い子どもを見るようだった。そんなキャプテンにますます苛立ちが募る。
「父のこと何も知らないくせに! 私、ホテルに帰ります」
これ以上、キャプテンと同じ空間にいることに耐え切れず、千円札をカウンターに叩きつけ、スツールから立ち上がる。
「南雲、待て。一人は危ないと言っただろ」
キャプテンも立ち上がり、私の腕を掴んだ。
「放して下さい。一人で帰れますから」
「ダメだ。涼介さん、タクシー呼んで。俺と帰るのがイヤだったらタクシーに乗っていけ」
「そうだね。タクシーで帰った方がいいよ。変な男に絡まれたんだし」
涼介さんにも諭されて、確かにそうかもしれないと思った。
「わかりました。タクシーで帰るので、放して下さい」
「タクシーが来たら放す」
信用されていないような言葉にさらに頭に血が上る。
助けてくれたのはありがたいけど、高月キャプテンは横暴だ。