クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
高月キャプテンと遭遇してから生きた心地のしない一週間が過ぎた。しかし、会社で顔を合わせることはなく、配置転換も言い渡されることはなかった。明日の自宅でのスタンバイ(待機任務)が終われば、また二日間のお休みになるので、今週はもう高月キャプテンと顔を合わせることはないだろう。
キャプテンに会わない内に早く帰ろうと思い、逃げるように羽田のオフィスを出た時、後ろから声がかかった。
「南雲さん、今帰りですか?」
振り返ると、同じタイミングでオフィスを出て来たスーツ姿の水沢さんがいた。
「えっ、はい」
「僕も今帰りなんですが」
「そうですか。お疲れ様です」
お辞儀をして、立ち去ろうとすると、また呼び止められた。
「南雲さん、せっかくだから一緒に帰りませんか?」
「え?」
意外な誘いに眉が上がる。
「いや、あの……、こんな機会も中々ないと思いまして」
気まずそうに頬をかく水沢さんが、いつもの冷静な雰囲気とは違って見えた。
「別にいいですけど」
早く話を切り上げたかったので、一緒に帰ることを承諾した。
「良かった。僕、今日車なんで、ご自宅まで送ります」
「えっ、自宅まで……」
心臓が跳ねた。
築30年のアパートで一人暮らしをしているので、住まいを見られるのは恥ずかしい。副操縦士のお給料ならもっといい所に住んでいるはずだ。
「あっ、ご自宅が嫌でしたら、ご近所でも」
何だか水沢さんが必死に見えて、断れなかった。
「じゃあ、近所までお願いします」
私の返事を聞くと、水沢さんの表情がパッと輝いた。
今日は真っすぐ帰りたくない用事でもあったのだろうか。
キャプテンに会わない内に早く帰ろうと思い、逃げるように羽田のオフィスを出た時、後ろから声がかかった。
「南雲さん、今帰りですか?」
振り返ると、同じタイミングでオフィスを出て来たスーツ姿の水沢さんがいた。
「えっ、はい」
「僕も今帰りなんですが」
「そうですか。お疲れ様です」
お辞儀をして、立ち去ろうとすると、また呼び止められた。
「南雲さん、せっかくだから一緒に帰りませんか?」
「え?」
意外な誘いに眉が上がる。
「いや、あの……、こんな機会も中々ないと思いまして」
気まずそうに頬をかく水沢さんが、いつもの冷静な雰囲気とは違って見えた。
「別にいいですけど」
早く話を切り上げたかったので、一緒に帰ることを承諾した。
「良かった。僕、今日車なんで、ご自宅まで送ります」
「えっ、自宅まで……」
心臓が跳ねた。
築30年のアパートで一人暮らしをしているので、住まいを見られるのは恥ずかしい。副操縦士のお給料ならもっといい所に住んでいるはずだ。
「あっ、ご自宅が嫌でしたら、ご近所でも」
何だか水沢さんが必死に見えて、断れなかった。
「じゃあ、近所までお願いします」
私の返事を聞くと、水沢さんの表情がパッと輝いた。
今日は真っすぐ帰りたくない用事でもあったのだろうか。