クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
私は平静を装いながら、空色のサイダーを口にした。舌先にシュワッとした炭酸と、爽やかな甘さを感じて美味しい。
「お待たせしました。空のカレーセットです」
係の人が私たちの前に料理を置いた。
「いただきます」
胸の前で手を合わせて、隼人さんと同時に食事を始める。
大皿に盛られたカレーの上に大きな唐揚げが三つ並んでいた。
「この唐揚げ、すごくジューシーですね」
「そうだな。カレーも香辛料がよく効いていて美味いな」
隼人さんと同じメニューを食べるのが嬉しい。フライトが一緒の時は機長と副操縦士は同じものを食べられないから、仕事中はこんな風に感想を言い合うこともなかった。
「フライトが一緒の時は同じものが食べられないから、なんか嬉しいな」
同じことを隼人さんが思ったのが嬉しくて笑みが浮かぶ。
「そうですね。同じものを食べて、感想を共有するの楽しいですね。なんか本当の恋人みたい」
調子に乗って口が滑った。本当の恋人だなんて、隼人さんとそうなりたいと言っているみたいだ。
「いや、今のは……ただの感想ですよ。本当の恋人になるなんて、絶対にないと思っていますから」
慌てて否定すると、隼人さんが「わかっている」と少し怒ったような調子で口にした。なぜか少し不機嫌な様子だ。本当の恋人みたいと言ったのが気に障ったのだろうか。
謝った方がいいのかなと考えている時、背後で声がした。
「パパ! 飛行機がいっぱいある!」
「航、あの飛行機はB787だな。パパは昔、飛行機を作っていたんだぞ」
その声を聞いた瞬間、全身が凍りついた。五年前に家出した父の声だ。まさか、そんなはずはない。他人の空似だ。そう自分に言い聞かせるが、怖くて振り向けない。
「お待たせしました。空のカレーセットです」
係の人が私たちの前に料理を置いた。
「いただきます」
胸の前で手を合わせて、隼人さんと同時に食事を始める。
大皿に盛られたカレーの上に大きな唐揚げが三つ並んでいた。
「この唐揚げ、すごくジューシーですね」
「そうだな。カレーも香辛料がよく効いていて美味いな」
隼人さんと同じメニューを食べるのが嬉しい。フライトが一緒の時は機長と副操縦士は同じものを食べられないから、仕事中はこんな風に感想を言い合うこともなかった。
「フライトが一緒の時は同じものが食べられないから、なんか嬉しいな」
同じことを隼人さんが思ったのが嬉しくて笑みが浮かぶ。
「そうですね。同じものを食べて、感想を共有するの楽しいですね。なんか本当の恋人みたい」
調子に乗って口が滑った。本当の恋人だなんて、隼人さんとそうなりたいと言っているみたいだ。
「いや、今のは……ただの感想ですよ。本当の恋人になるなんて、絶対にないと思っていますから」
慌てて否定すると、隼人さんが「わかっている」と少し怒ったような調子で口にした。なぜか少し不機嫌な様子だ。本当の恋人みたいと言ったのが気に障ったのだろうか。
謝った方がいいのかなと考えている時、背後で声がした。
「パパ! 飛行機がいっぱいある!」
「航、あの飛行機はB787だな。パパは昔、飛行機を作っていたんだぞ」
その声を聞いた瞬間、全身が凍りついた。五年前に家出した父の声だ。まさか、そんなはずはない。他人の空似だ。そう自分に言い聞かせるが、怖くて振り向けない。