クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
まさかと思いながら白鳥さんの隣に立つ、袖口に四本ラインが入る機長の制服姿の男性を見ると、俳優かと思うほど整った顔立ちをしていて、思わず息を呑んだ。
「高月キャプテン! いい所に来てくれました。是非、インタビュー受けて下さい。最年少機長の話、みんな聞きたいと思うんです」
白鳥さんの言葉で、彼が今日ペアになる高月キャプテンだと確信した。
なぎさが自慢げに言っていただけあって、物凄いイケメンだ。
「断る。ここは運航管理に関わる重要拠点だ。アポなしの撮影は許可されていない」
「そんな厳しいこと言わないで下さいよ。視聴者はこういうリアリティを求めているんですよ。カメラに向かって話して下さい」
「カメラ止めろ」
冷徹な一言に、カメラマンの手が止まる。
「今すぐ退室しろ。ブリーフィングの妨害は安全運航への重大な妨害行為だ。もしこの後のフライトでインシデントが発生すれば、君たちは責任が取れるのか?」
インシデントとは事故に至らなくても、安全を脅かす重大な事態のことで、もし一度でも引き起こせば、即座に乗務停止になり、厳しい訓練と調査の対象になる。私たちパイロットが恐れていることだ。
高月キャプテンの正論に、白鳥さんは顔を赤くし、俯いた。
「……妨害行為なんて酷い。私はスカイクレスト航空のためにやってるのに」
「君がやっているのは安全運航を邪魔する行為だ。早く出て行け」
泣きそうな顔をした白鳥さんが逃げるようにカメラマンと一緒に部屋を出て行った。そんな彼女が少々可哀そうな気もしたが、私も高月キャプテンと同意見だったので、いなくなってくれたことにほっと胸を撫で下ろした。
周囲を見ると、数人のパイロットたちが小さく頭を下げ、高月キャプテンに敬意を表しているように見えたが、彼はそれを見向きもせず、厳しい表情のまま真っすぐ私の方へと歩いてくる。
180センチ以上はありそうな高身長で、堂々と歩く姿は映画のワンシーンのように決まっていて、男性にあまり興味のない私でも胸がときめいた。なるほど、こんなにカッコよければ四千人のCAたちが狙うわけだ。なぎさが言っていたことはあながち嘘ではないのかもしれない。
「機長の高月だ」
私の隣で立ち止まると、彼はなぜかじっと私を見た。
初対面だからだと思うが、端正な顔を向けられて落ち着かない。
「初めまして。副操縦士の南雲瑞希です。今日はよろしくお願いします」
深く頭を下げると、頭上から「よろしく」と硬く、冷淡な声が降って来た。その声を聞いて耳の奥が熱くなる。聞けば聞く程、あの時の声のように思えて、確かめたくなる。
「高月キャプテン! いい所に来てくれました。是非、インタビュー受けて下さい。最年少機長の話、みんな聞きたいと思うんです」
白鳥さんの言葉で、彼が今日ペアになる高月キャプテンだと確信した。
なぎさが自慢げに言っていただけあって、物凄いイケメンだ。
「断る。ここは運航管理に関わる重要拠点だ。アポなしの撮影は許可されていない」
「そんな厳しいこと言わないで下さいよ。視聴者はこういうリアリティを求めているんですよ。カメラに向かって話して下さい」
「カメラ止めろ」
冷徹な一言に、カメラマンの手が止まる。
「今すぐ退室しろ。ブリーフィングの妨害は安全運航への重大な妨害行為だ。もしこの後のフライトでインシデントが発生すれば、君たちは責任が取れるのか?」
インシデントとは事故に至らなくても、安全を脅かす重大な事態のことで、もし一度でも引き起こせば、即座に乗務停止になり、厳しい訓練と調査の対象になる。私たちパイロットが恐れていることだ。
高月キャプテンの正論に、白鳥さんは顔を赤くし、俯いた。
「……妨害行為なんて酷い。私はスカイクレスト航空のためにやってるのに」
「君がやっているのは安全運航を邪魔する行為だ。早く出て行け」
泣きそうな顔をした白鳥さんが逃げるようにカメラマンと一緒に部屋を出て行った。そんな彼女が少々可哀そうな気もしたが、私も高月キャプテンと同意見だったので、いなくなってくれたことにほっと胸を撫で下ろした。
周囲を見ると、数人のパイロットたちが小さく頭を下げ、高月キャプテンに敬意を表しているように見えたが、彼はそれを見向きもせず、厳しい表情のまま真っすぐ私の方へと歩いてくる。
180センチ以上はありそうな高身長で、堂々と歩く姿は映画のワンシーンのように決まっていて、男性にあまり興味のない私でも胸がときめいた。なるほど、こんなにカッコよければ四千人のCAたちが狙うわけだ。なぎさが言っていたことはあながち嘘ではないのかもしれない。
「機長の高月だ」
私の隣で立ち止まると、彼はなぜかじっと私を見た。
初対面だからだと思うが、端正な顔を向けられて落ち着かない。
「初めまして。副操縦士の南雲瑞希です。今日はよろしくお願いします」
深く頭を下げると、頭上から「よろしく」と硬く、冷淡な声が降って来た。その声を聞いて耳の奥が熱くなる。聞けば聞く程、あの時の声のように思えて、確かめたくなる。