クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「時間がないから早く話して」
周囲に人がいない奥のテーブル席に腰かけ、父にそう促した。
「忙しいところごめんな。実は、お父さんが家を出て行った理由について話そうと思って」
「好きな女の人が出来たんでしょ? お父さんに新しい家族がいることも知っているから」
父が驚いたように眉を上げる。
「違う。瑞希、何か勘違いしてないか? ああ、そうか航空博物館でお父さんを見たのか」
航空博物館のことを言われて、ハッとした。
「……どうして知っているの?」
「高月さんに聞いたんだよ。航空博物館のレストランで食事をしていたら、声をかけられてな。それで瑞希のことや、みんなのことを聞いたんだ」
まさか隼人さんが父に声をかけていたとは思わなかった。
「お父さんが出て行った後、瑞希が家族を支えていると聞いて、堪らなくなったよ。お父さんは自分のことしか考えられなかった。まさかお母さんが心臓を悪くしていたなんて……」
コーヒーカップに視線を落とした父の瞳が後悔に染まっているようだった。
「本当にすまない。実は、お父さんが家を出たのは、会社の金を横領した容疑で逮捕されたからなんだ」
衝撃的な告白に息が止まる。
「横領……お父さんが?」
私の震える声に父は痛ましそうに顔を歪めた。
「将来ある瑞希と菜々美に迷惑をかけたくなかったんだ。だから母さんと話し合って、離婚届を提出してから家を出たんだ」
そんな事情があったなんて……。
『もうお父さんと離婚したから瑞希も会ったらダメよ』
母が私にそう言ったのは、父に怒っていたからではなく、私のパイロットとしてのキャリアを守る為だったんだ。
周囲に人がいない奥のテーブル席に腰かけ、父にそう促した。
「忙しいところごめんな。実は、お父さんが家を出て行った理由について話そうと思って」
「好きな女の人が出来たんでしょ? お父さんに新しい家族がいることも知っているから」
父が驚いたように眉を上げる。
「違う。瑞希、何か勘違いしてないか? ああ、そうか航空博物館でお父さんを見たのか」
航空博物館のことを言われて、ハッとした。
「……どうして知っているの?」
「高月さんに聞いたんだよ。航空博物館のレストランで食事をしていたら、声をかけられてな。それで瑞希のことや、みんなのことを聞いたんだ」
まさか隼人さんが父に声をかけていたとは思わなかった。
「お父さんが出て行った後、瑞希が家族を支えていると聞いて、堪らなくなったよ。お父さんは自分のことしか考えられなかった。まさかお母さんが心臓を悪くしていたなんて……」
コーヒーカップに視線を落とした父の瞳が後悔に染まっているようだった。
「本当にすまない。実は、お父さんが家を出たのは、会社の金を横領した容疑で逮捕されたからなんだ」
衝撃的な告白に息が止まる。
「横領……お父さんが?」
私の震える声に父は痛ましそうに顔を歪めた。
「将来ある瑞希と菜々美に迷惑をかけたくなかったんだ。だから母さんと話し合って、離婚届を提出してから家を出たんだ」
そんな事情があったなんて……。
『もうお父さんと離婚したから瑞希も会ったらダメよ』
母が私にそう言ったのは、父に怒っていたからではなく、私のパイロットとしてのキャリアを守る為だったんだ。