僕の秘密と、彼女の嘘
「何言って――」

「あれ? 響?」

背後から声。

振り向くと、潤平、朱真、湊。

よりにもよって今。

「え!? あの子じゃん!」

「いつの間に仲良くなってんの?」

まずい。

「う、うん。友達になって……」

無難に流そうとした、その瞬間。

左腕に、やわらかい感触。

七瀬が腕を絡めてきた。

「えっ……私、彼女じゃないの?」

「はあっ!?」

潤んだ上目遣い。

一瞬、自分が女だってことを忘れた。

かわいい。

純粋に、そう思ってしまった。

「うわ」

「まじかよ」

「見せつけんな」

三人の声で現実に戻る。

顔が熱い。絶対真っ赤だ。

そのまま三人は呆れ顔で去っていった。

「お幸せにー」

「結局響なのかよ」

三人の姿が見えなくなったところで、七瀬がくすくす笑い出す。
そんな七瀬の腕を振りほどいて僕は必死に抗議した。

「悪ノリしすぎ!」

「えー? これでますます疑われないよ。彼女いる男子が実は女子なんて思わないでしょ?」

……確かに。

「それに告白も断りやすくなったでしょ?」

ぐぬぬ。

反論できない。

「でも! これで七瀬に彼氏がいるってことにもなったんだからな!」

「ああ、それ?」

七瀬は顔を近づけて、にやりと笑う。

「ぜーんぜん! 問題ないよ?」
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