僕の秘密と、彼女の嘘
距離が近づく。
え、ちょ、待――
抵抗する間もなく、唇が触れた。
ほんの数秒。
なのに、やけに長く感じる。
離れた瞬間、心臓がうるさいくらいに鳴り出した。
「ねぇ……七瀬、これ……絵面、やばくない?」
うつむいたまま、呟く。
「あははっ! 確かに端から見たら男同士だもんね」
楽しそうに笑うな。
「お姉ちゃんたちが見たら絶対喜ぶよ」
七瀬のお姉ちゃん、そういう趣味なのか……。
「眼鏡、邪魔だな」
「え?」
気づいたときには、伊達眼鏡を外されていた。
テーブルにそっと置かれて、両手で頬を包まれる。
距離、ゼロ。
「もう一回」
「ちょ……」
抗議する前に、また唇が重なる。
さっきより、少しだけ長い。
頭がふわふわする。
現実感がない。
離れて目を開けると、七瀬が優しく笑っていた。
「……かわいい」
「っ、かわ!?」
そんな単語、僕の人生に縁がないはずなんだけど!?
今の僕は男の姿だし、むしろ"かわいい"って思ってたのはいつも僕のほうで――
「かわいいよ」
真っ直ぐな視線に耐えきれなくて、思わず七瀬の胸に顔を埋める。
「やめて……恥ずかしいから顔見ないで……」
背中に腕が回る。
優しく、でも逃がさないみたいに。
「ねぇ響。今さらだけどさ」
「……何?」
今日はもう何が来ても驚かない。たぶん。
「むやみに男を家にあげちゃダメだよ?」
「!?」
前言撤回。
その言葉の意味を理解してばっと離れる。
七瀬は、いたずらっぽく笑った。
「なーんて。"今日は"何もしないよ」
「……今日は、って何?」
「さあ?」
にやっと笑うのやめて。
「そろそろ帰るよ。奏ちゃんにこの姿見られたら大変でしょ?」
確かに。そろそろ奏の塾が終わる時間だ。
カリスマ女子高生・七瀬ちゃんの真実を知ったら、奏は闇落ちするかもしれない。
「"今日は"これで我慢しとく」
「えっ」
その言葉と同時に、不意打ちのキス。
「……!」
満足げに笑う七瀬。
ずるい。本当にずるい。
え、ちょ、待――
抵抗する間もなく、唇が触れた。
ほんの数秒。
なのに、やけに長く感じる。
離れた瞬間、心臓がうるさいくらいに鳴り出した。
「ねぇ……七瀬、これ……絵面、やばくない?」
うつむいたまま、呟く。
「あははっ! 確かに端から見たら男同士だもんね」
楽しそうに笑うな。
「お姉ちゃんたちが見たら絶対喜ぶよ」
七瀬のお姉ちゃん、そういう趣味なのか……。
「眼鏡、邪魔だな」
「え?」
気づいたときには、伊達眼鏡を外されていた。
テーブルにそっと置かれて、両手で頬を包まれる。
距離、ゼロ。
「もう一回」
「ちょ……」
抗議する前に、また唇が重なる。
さっきより、少しだけ長い。
頭がふわふわする。
現実感がない。
離れて目を開けると、七瀬が優しく笑っていた。
「……かわいい」
「っ、かわ!?」
そんな単語、僕の人生に縁がないはずなんだけど!?
今の僕は男の姿だし、むしろ"かわいい"って思ってたのはいつも僕のほうで――
「かわいいよ」
真っ直ぐな視線に耐えきれなくて、思わず七瀬の胸に顔を埋める。
「やめて……恥ずかしいから顔見ないで……」
背中に腕が回る。
優しく、でも逃がさないみたいに。
「ねぇ響。今さらだけどさ」
「……何?」
今日はもう何が来ても驚かない。たぶん。
「むやみに男を家にあげちゃダメだよ?」
「!?」
前言撤回。
その言葉の意味を理解してばっと離れる。
七瀬は、いたずらっぽく笑った。
「なーんて。"今日は"何もしないよ」
「……今日は、って何?」
「さあ?」
にやっと笑うのやめて。
「そろそろ帰るよ。奏ちゃんにこの姿見られたら大変でしょ?」
確かに。そろそろ奏の塾が終わる時間だ。
カリスマ女子高生・七瀬ちゃんの真実を知ったら、奏は闇落ちするかもしれない。
「"今日は"これで我慢しとく」
「えっ」
その言葉と同時に、不意打ちのキス。
「……!」
満足げに笑う七瀬。
ずるい。本当にずるい。