訳あり王子の守護聖女
 良く晴れた翌日の昼下がり。

『柘榴の宮』にある一室では五人の女官たちが私を取り囲み、顔面の改造に励んでいた。

「うーん、素晴らしい! まさに完璧ですわ!」
「ええ、ええ! 殿方の心臓を鷲掴みすること間違いなしです!」
「ふふ、ルカ様もきっと驚かれますわね!」
 額に浮かんだ汗を拭い、女官たちは頷き合っている。

 どうやら体感で一時間にも及ぶ格闘は終わったようだ。

 臣下に傅かれる女王のように、部屋のほぼ中央にでんと置かれた椅子に座っている私は、周りではしゃぐ女官たちの様子を黙って見ているしかない。

「さあさあ、ステラ様、お待たせいたしました! 生まれ変わったご自身のお姿、しかとその目でご覧ください!」

 そう言って、私の女官となってくれた赤髪緑目のミア・ウルフェニーは赤い布がかけられた姿見に向かって膝を曲げ、右手を伸ばし、大げさなポーズを取った。

 ミアの動きに合わせて姿見にかけられた布を外し、無表情で両手に持ったのは黒髪を三つ編みにし、青い目に眼鏡をかけたロゼッタ・オベサ。

 ロゼッタもまた私付きの女官だが、彼女は感情豊かなミアとは対照的に、いつだって冷静沈着だ。
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