訳あり王子の守護聖女
 アンベリス国王との拝謁を控えたこの日、彼女たちは女官仲間と朝から張り切って私の支度を整えてくれた。

「……これが私……お化粧とドレスの力って凄いですね。三百パーセントくらい美化されて見えるような気がします」

 自分の頬に触ろうとし、白粉が落ちることを心配して指を引っ込める。

 苦しくない程度にコルセットを締め、整えた身体に纏うのは淡い水色のドレスだ。
 繊細な刺繍が施され、細かなダイヤモンドが雪のように散りばめられた美しいドレス。

 スカート部分に重ねられたレースの模様といったら、まさにアンベリスの職人芸。
 白銀の髪は両側を丁寧に編み込んで後ろに流し、後頭部には大粒のサファイアの髪飾りがつけられている。

 首や耳にも髪飾りと同じサファイアが飾られていた。
 試しに首を少し動かすと、耳元の涙型のサファイアが動きに追随して揺れ、キラキラと輝く。

「綺麗……」
 うっとりと呟いてから、私は女官たちの顔を順番に眺めた。

「皆さん、素晴らしいお仕事をありがとうございました。おかげさまで、多少は自信を持って陛下に拝謁することができそうです!」
 ぐっと拳を握る。
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