訳あり王子の守護聖女
「お力になれましたなら何よりです。それでは、行ってらっしゃいませ。ルカ様がお待ちです」
「はい、行ってきます」
ロゼッタに促された私は椅子から立ち上がった。
化粧台の上に置かれたままの赤い魔石がついた指輪を一瞥し、戻ったらまたすぐ首にかけるからねと約束して、ミアが開けた扉をくぐる。
飾りをつけた頭やドレスがずっしりと重い。
慣れないヒールは歩きにくく、気を抜けばうっかり転んでしまいそうである。
国王陛下への拝謁が決まってからというもの、本物の貴族令嬢であるミアたちに一通りの礼儀作法と『淑女らしい歩き方』を教わったが、実践するのはなかなかに難しい。
表向きは平気な顔を装い、控えの間を通って廊下に出る。
廊下の壁際には濃紺の衣装に身を包んだルカ様がいた。
手持ち無沙汰らしく、ぼんやりとした眼差しで窓の外を見ていたルカ様は私に気づいてこちらを向き、何故か目を見開いて固まった。
それきり、石像のように動かない。
「ルカ様? どうされましたか?」
戸惑いながらルカ様の前に立つ。
「――なるほど『天使』か……」
「天使? 何のお話ですか?」
「はい、行ってきます」
ロゼッタに促された私は椅子から立ち上がった。
化粧台の上に置かれたままの赤い魔石がついた指輪を一瞥し、戻ったらまたすぐ首にかけるからねと約束して、ミアが開けた扉をくぐる。
飾りをつけた頭やドレスがずっしりと重い。
慣れないヒールは歩きにくく、気を抜けばうっかり転んでしまいそうである。
国王陛下への拝謁が決まってからというもの、本物の貴族令嬢であるミアたちに一通りの礼儀作法と『淑女らしい歩き方』を教わったが、実践するのはなかなかに難しい。
表向きは平気な顔を装い、控えの間を通って廊下に出る。
廊下の壁際には濃紺の衣装に身を包んだルカ様がいた。
手持ち無沙汰らしく、ぼんやりとした眼差しで窓の外を見ていたルカ様は私に気づいてこちらを向き、何故か目を見開いて固まった。
それきり、石像のように動かない。
「ルカ様? どうされましたか?」
戸惑いながらルカ様の前に立つ。
「――なるほど『天使』か……」
「天使? 何のお話ですか?」