隣の席の悪魔【旧版】


帰り道。

春の風。

並ぶ影。

「三年生かー……」

私はぽつりと呟く。

「次こそ、
同じクラスがいいなぁ」

思ったより、
素直な声が出た。

空くんが、
少しだけこっちを見る。

「なんで」

「だって、
二年生では別だったし」

私は唇を尖らせる。

「授業中もつまんなかった」

すると。

空くんが、
小さくため息をついた。

「……別でも、
変わんなかっただろ」

え。

空くんは、
前を向いたまま。

ぽつり。

「図書室」

その瞬間。

西日。

静かな空気。

窓際。

放課後の景色が、
一気に浮かぶ。

私は思わず笑った。

「……たしかに」

すると。

空くんが、
いつもより少し
優しい顔で笑った。

春の夕方。

少し長くなった影が、
静かに並んでいた。
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