隣の席の悪魔【旧版】

また隣

三年生。

春。

新しいクラス表。

廊下は、
ざわざわした声で溢れている。

「また同じクラスだー!」

「離れた最悪!」

そんな声が飛び交う中。

私は、
掲示板を見上げた。

……高い。

見えない。

「ちび、
背伸びしても無理じゃね?」

後ろから笑い声。

「うるさい!!」

もはや毎年の恒例。

私は男子を押しのけながら、
必死に目を凝らす。

三年二組。

その下。

|星野 紬

よし。

……空くんは?

私は視線を動かす。

そして。

「……あ」

見つけた名前。

|朝比奈 空

同じクラス。

しかも。

「え」

私は思わず、
座席表を二度見した。

窓側。

後ろから二番目。

その隣。

朝比奈 空

……うそ。

また、
隣。

「星野」

後ろから、
聞き慣れた声。

振り向く。

「空くん!!」

すると。

空くんが、
少しだけ座席表を見る。

数秒。

そして。

「……また隣」

空くんはそう言って、
少しだけ口元を緩めた。
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