隣の席の悪魔【旧版】


しばらくして。

遠くでアナウンスが流れた。

『まもなく花火が始まりまーす!』

「やば、
移動しよ!」

みんな一気に歩き出す。

その瞬間。

後ろから、
どんっと押された。

「わっ――」

ぐらっ。

下駄。

うまく踏ん張れない。

次の瞬間。

私は気づいたら、
地面へ手をついていた。

ぷつん。

すぐ近くで、
軽い音。

「あ」

赤いヨーヨー。

割れた。

冷たい水が、
地面へ広がる。

しかも。

膝、
痛い。

下駄擦れも、
じんじんする。

最悪。

私は黙ったまま、
割れたヨーヨーを見つめた。

その間に。

みんな、
前へ進んでいく。

祭囃子の中で、

みんなの笑い声が、
遠くなっていく。
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