隣の席の悪魔【旧版】
◇
帰り道。
夜。
少し冷たい風。
私は空を見上げながら歩く。
「受験やだぁ……」
「今さら」
「逃げたい」
「逃げるな」
「だって!」
すると。
空くんが、
少しだけ前を向いたまま言った。
「……星野」
「ん?」
「落ちる気しない」
え。
私は思わず空くんを見る。
空くんは、
まっすぐ前を見ていた。
「なんで?」
「走ってたし」
「え?」
空くんが、
少しだけ笑って、
私を見る。
「体力あるから」
「受験関係ある?」
私は思わず吹き出した。
その時。
空くんが、
ぽつり。
「……でも」
「え?」
「ちゃんと頑張ってたし」
心臓。
どくん。
風。
白い息。
静かな夜道。
「途中で投げないって、
分かる」
私はうまく返事ができなくて、
小さく俯いた。
「……ありがと」
「……まぁ、
計算は苦手だけどな」
「ねえってばー!」
私は思わず空くんを軽く叩く。
すると。
空くんが、
少しだけ笑った。
気づいたら。
さっきまでの不安を、
少し忘れて笑っていた。
帰り道。
夜。
少し冷たい風。
私は空を見上げながら歩く。
「受験やだぁ……」
「今さら」
「逃げたい」
「逃げるな」
「だって!」
すると。
空くんが、
少しだけ前を向いたまま言った。
「……星野」
「ん?」
「落ちる気しない」
え。
私は思わず空くんを見る。
空くんは、
まっすぐ前を見ていた。
「なんで?」
「走ってたし」
「え?」
空くんが、
少しだけ笑って、
私を見る。
「体力あるから」
「受験関係ある?」
私は思わず吹き出した。
その時。
空くんが、
ぽつり。
「……でも」
「え?」
「ちゃんと頑張ってたし」
心臓。
どくん。
風。
白い息。
静かな夜道。
「途中で投げないって、
分かる」
私はうまく返事ができなくて、
小さく俯いた。
「……ありがと」
「……まぁ、
計算は苦手だけどな」
「ねえってばー!」
私は思わず空くんを軽く叩く。
すると。
空くんが、
少しだけ笑った。
気づいたら。
さっきまでの不安を、
少し忘れて笑っていた。