隣の席の悪魔【旧版】


「……はぁっ……」

競技を終えた私は、
テントに座り込んだ。

暑い。

汗。

やばい。

その時。

「うわっ」

冷たいペットボトルが、
頬に当てられる。

顔を上げる。

空くん。

「……死にそうじゃん」

「空くんの応援のせいでしょ……」

「は?」

「なんか叫んでたし!」

空くん、
少しだけ止まる。

その後ろで、
葛西くんが肩を震わせてる。

「いやー、
空の叫びはレアだったわ」

「葛西黙れ」

声。

ちょっと掠れてるし。

耳。

……わかりやす。

私は思わず吹き出した。

「ありがと」

ペットボトルを改めて頬に当てる。

冷たくて気持ちいい。

その時。

空くんが、
少しだけ目を細めた。

「……速かった」

え。

「褒めた!?」

「別に」

「今絶対褒めた!!」

「うるさい」

でも。

口元。

ちょっと笑ってる。
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