隣の席の悪魔【旧版】
空くんが、
教科書をカバンにしまいながら立ち上がった。

「帰る?」

「うん!」

私は勢いよく立ち上がる。

「……図書室寄る」

「え?」

空くんは、
少しだけ視線を逸らした。

「本、
返すの忘れてた」

私は思わず笑った。

「空くん、
本読むんだ」

「まあ」

「勉強の本しか読まなそう」

「失礼」

そう言いながら、
やっぱり少し笑ってる。

私はカバンを背負い直した。

「じゃあ私も行く!」

「なんで」

「暇だから!」

「……あっそ」

つれない返事。

でも。

こういう時。

空くんが、
嫌なわけじゃないってことを、
私は知ってる。

上機嫌で、
空くんの後を追った。
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