隣の席の悪魔【旧版】


その夜。

私はなかなか眠れなかった。

周りでは、
みんな静かな寝息を立ててる。

私はそっと布団を抜け出して、
部屋のベランダへ出た。

夜風。

冷たい。

星。

綺麗。

私は手すりへ寄りかかりながら、
ぼんやり空を見上げる。

……空くんは。

私じゃない誰かに、
「走ろう」
って言われても。

走るのかな。

そう思った瞬間。

胸の奥が、
ちくっとした。

その時。

ガラッ。

隣のベランダから、
音がした。

「っ!?」

私は反射でしゃがみ込む。

やば。

先生!?

息を潜めながら、
そっと影から覗く。

そこにいたのは――

「……空くん?」

空くんは、
私の声にはっとして、
少しだけ目を丸くした。

「……何してんの」

「そ、それはこっちの台詞!」

私は慌てて立ち上がる。

夜。

星。

夜風に揺れるジャージ。

そこにいたのは、
空くんだった。
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