隣の席の悪魔【旧版】


風が吹く。

開いた窓から、
夏の匂いが流れ込んできた。

カーテンが揺れる。

ページをめくる音。

遠くのセミ。

よく効いた冷房。

静かな図書室。

空くん。

空気が心地よくて。

「……眠」

私はそのまま、
カウンターに頬をつけた。

「寝るな」

「むり……」

眠くなる条件、
全部揃ってるもん。

「……風邪引くぞ」

「平気だよ、
夏だし……」

私は目を閉じた。

そのまま。

少しだけ。

ほんの少しだけ――
< 81 / 150 >

この作品をシェア

pagetop