【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
「それにしても友達、すごい人気だね」
氷室さんは成美へ視線を向けつつポツリと漏らす。もしかしたら氷室さんも成美の方へ行きたいのかもしれない。
内心はちょっぴりモヤッとしたものの、私は自虐気味に言った。
「成美は可愛いし、男性の目を惹きますからね。もし成美と話したければ私なんかに気を使わず、氷室さんも――」
「行かない」
氷室さんは私の言葉に被せるように言った。
「俺の凜花への気持ちはそんな軽くないよ。むしろ、重たいって自覚して」
穏やかな口調ながらその言葉には圧がある。
すると、氷室さんはポンッと私の頭を軽く叩いた。
「俺はずっと凛花のそばにいる。離れろって言われても、絶対に離れないよ」
冗談なのか本気なのか分からない氷室さん。その時、ふいに目が合った。
「あの氷室さん、かなりお疲れなんじゃ……?」
彼のほんの些細な違和感に気が付いて尋ねる。
「何で?」
「何でって言われると困るんですが、少しお疲れの顔をしている気がして。お仕事忙しいんじゃないですか?」
私の言葉に氷室さん苦笑いを浮かべた。
「よくわかったね。実は北海道から帰って来て、空港からそのままジムにきたんだ。それでかも」
「えっ⁉ どうしてそんな無茶を……。今日ぐらいジムをお休みしたほうが――」
「そういうわけにはいかないよ。君の友達が誰なのかこの目で確認しないといけなかったから」
氷室さんの美しい漆黒の瞳にいつもと違う色が帯びた。
「えっと……私のことを心配してくれるのはありがたいです。でも、ちゃんと体は休めないと……。氷室さんの方が倒れちゃいますよ」
「俺の体の心配してくれてるの?」
ふいに顔を覗きこまれて心臓が撥ねる。
「それは……しますよ。色々お世話になってますし……」
何だか照れくさくなって語尾が小さくなる。
「お世話って、なんか他人行儀で嫌だな。でも、凜花が他の誰かに向ける視線も言葉も笑顔も全部俺が管理できるなら悪くないかもな」
「え?」
私を見つめながら淡々と言葉を紡ぐ彼に唖然とする。
「ああ、冗談だよ。確かに少し疲れてるけど体力には自信あるから心配しないで。明日は休みだし、帰ったらゆっくり休むよ」
氷室さんはそう告げると普段通りの柔らかな笑みを浮かべた。
一緒に食事をした日から私と氷室さんの距離はグッと近付いた。あの日、言葉を交わして氷室さんの人となりを知った。
それからは氷室さんは分かりやすく私への気持ちを伝え続けてくれる。けれど、一気に踏み込むようなことをしないのは、私の黒歴史を話したせいだろう。
絶妙なラインでアプローチを掛けてくる氷室さんに私は翻弄されっぱなしだ。
けれど、悪い気はしない。むしろ私は徐々に氷室さんに惹かれ始めていた。
「あ、そうそう。北海道のお土産買ってきたんだ。クッキーなんだけど、好き?」
「クッキー! もちろん大好きです」
「よかった。今日は友達が一緒みたいだし、後で渡すね」
「ありがとうございます」
お礼を言う私に、氷室さんは優しい眼差しを向ける。
こうやって言葉を交わしているだけで心が弾み、私は氷室さんが好きなのだと自覚した。
ふと目が合うだけでこんなにも胸を高鳴らせて、温かい気持ちになるのがその証拠だ。
彼をもっと知りたいし、もっと知ってもらいたい。
そんな気持ちが大きくなる。
すると、どこからか痛いほどの視線を感じた。ふとその方向へ目を向けると、成美がこちらに向かって手招きしていた。
氷室さんは成美へ視線を向けつつポツリと漏らす。もしかしたら氷室さんも成美の方へ行きたいのかもしれない。
内心はちょっぴりモヤッとしたものの、私は自虐気味に言った。
「成美は可愛いし、男性の目を惹きますからね。もし成美と話したければ私なんかに気を使わず、氷室さんも――」
「行かない」
氷室さんは私の言葉に被せるように言った。
「俺の凜花への気持ちはそんな軽くないよ。むしろ、重たいって自覚して」
穏やかな口調ながらその言葉には圧がある。
すると、氷室さんはポンッと私の頭を軽く叩いた。
「俺はずっと凛花のそばにいる。離れろって言われても、絶対に離れないよ」
冗談なのか本気なのか分からない氷室さん。その時、ふいに目が合った。
「あの氷室さん、かなりお疲れなんじゃ……?」
彼のほんの些細な違和感に気が付いて尋ねる。
「何で?」
「何でって言われると困るんですが、少しお疲れの顔をしている気がして。お仕事忙しいんじゃないですか?」
私の言葉に氷室さん苦笑いを浮かべた。
「よくわかったね。実は北海道から帰って来て、空港からそのままジムにきたんだ。それでかも」
「えっ⁉ どうしてそんな無茶を……。今日ぐらいジムをお休みしたほうが――」
「そういうわけにはいかないよ。君の友達が誰なのかこの目で確認しないといけなかったから」
氷室さんの美しい漆黒の瞳にいつもと違う色が帯びた。
「えっと……私のことを心配してくれるのはありがたいです。でも、ちゃんと体は休めないと……。氷室さんの方が倒れちゃいますよ」
「俺の体の心配してくれてるの?」
ふいに顔を覗きこまれて心臓が撥ねる。
「それは……しますよ。色々お世話になってますし……」
何だか照れくさくなって語尾が小さくなる。
「お世話って、なんか他人行儀で嫌だな。でも、凜花が他の誰かに向ける視線も言葉も笑顔も全部俺が管理できるなら悪くないかもな」
「え?」
私を見つめながら淡々と言葉を紡ぐ彼に唖然とする。
「ああ、冗談だよ。確かに少し疲れてるけど体力には自信あるから心配しないで。明日は休みだし、帰ったらゆっくり休むよ」
氷室さんはそう告げると普段通りの柔らかな笑みを浮かべた。
一緒に食事をした日から私と氷室さんの距離はグッと近付いた。あの日、言葉を交わして氷室さんの人となりを知った。
それからは氷室さんは分かりやすく私への気持ちを伝え続けてくれる。けれど、一気に踏み込むようなことをしないのは、私の黒歴史を話したせいだろう。
絶妙なラインでアプローチを掛けてくる氷室さんに私は翻弄されっぱなしだ。
けれど、悪い気はしない。むしろ私は徐々に氷室さんに惹かれ始めていた。
「あ、そうそう。北海道のお土産買ってきたんだ。クッキーなんだけど、好き?」
「クッキー! もちろん大好きです」
「よかった。今日は友達が一緒みたいだし、後で渡すね」
「ありがとうございます」
お礼を言う私に、氷室さんは優しい眼差しを向ける。
こうやって言葉を交わしているだけで心が弾み、私は氷室さんが好きなのだと自覚した。
ふと目が合うだけでこんなにも胸を高鳴らせて、温かい気持ちになるのがその証拠だ。
彼をもっと知りたいし、もっと知ってもらいたい。
そんな気持ちが大きくなる。
すると、どこからか痛いほどの視線を感じた。ふとその方向へ目を向けると、成美がこちらに向かって手招きしていた。