【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
そんなある日、寝る前にベッドの上でゴロゴロしながらスマホをいじっていると、氷室さんからメッセージが届いた。
こんな時間に何の用だろうと不思議に思いながら画面をタップする。
【今度の土曜日の夜、食事でもどう?】
それがお誘いメッセージだと気付いて、私はベッドから飛び起きた。
その日は仕事も休みで予定もない。正座しながら【行きます】と返事をすると、【楽しみにしてる】と返って来た。
「ひ、氷室さんとデート⁉」
私は胸にスマホを抱き締めて喜びに悶絶した。
そして、待ちに待った食事当日。氷室さんが最寄りの駅まで車で迎えに来てくれることになっていた。
夕方とはいえ、季節は夏真っ只中の八月だ。少し立っているだけで、ジリジリとしたアスファルトの熱に汗が噴き出る。
すると、ロータリーに白い外国製の乗用車が止まった。運転席に座る氷室さんが私に気付いて手を振る。
私は緊張気味におずおずと車の助手席に乗り込んだ。
「おまたせ。暑かったでしょ? 駅じゃなくて家まで迎えに行ったのに」
氷室さんは車内の冷房を強めてくれた。
「うちのアパート、ちょっとわかりずらい場所にあるので」
「そっか。じゃあ、行こうか」
「はい」
氷室さんはハンドルを握り、ゆっくりアクセルを踏み込んだ。
向かった先は東京都の港区にある臨海エリアだった。そこで、クルーズ船に乗り、ディナークルーズを楽しむ予定だ。
あらかじめ行き先を伝えられていたお陰で、ドレスコードの確認もできて助かった。
私はこの日の為に、白地に黒い花柄があしらわれている清楚なフレアワンピースを購入した。
髪の毛は緩く巻いてハーフアップにし、メイクもいつもよりも華やかに仕上げた。
「今日のワンピース可愛いね。凛花に良く似合ってるよ」
車が信号機で停まると、氷室さんは私に目を向けて柔らかい笑みを浮かべた。
優し気な眼差しを向けられて、くすぐったい気持ちになる。
「ありがとうございます。氷室さんも素敵です」
「よかった。凛花に言われると嬉しい」
信号の色が変わると、氷室さんは再び前に向き直った。
ネイビーのセットアップに黒いインナーを合わせた氷室からは男性の魅力がこれでもかというほどに溢れ出している。生地の質感や厚みから、高価な服であることが伺える。
黒い革靴はピカピカに磨き上げられ、ジャケットの袖からの覗く時計は見るからに高級そうだ。
今まで私には数少ないながらお付き合いしていた男性はいた。デートをするのは初めてではないのに、胸のドキドキが抑えられない。
私はそっと窓の外に目をやり、激しく鳴り響く心臓の音が氷室さんに伝わらないことを願った。
無事に運行時間前に到着し、クルーズ船に乗り込む。船の中心部はまるで高級ホテルのロビーのようだった。大きなシャンデリアが吊り下げられ、クリスタルが散りばめられた床はキラキラと輝いている。
まるで別世界へ来てしまったみたいな錯覚を起こす。
「す、すごい……」
感心しっぱなしの私を見て氷室さんはクスッと笑い、船内のレストランへエスコートしてくれた。
指定された席へ通され、私は感嘆の声を漏らす。窓際の席からは煌びやかな都会の夜景が一望できた。
氷室さんは運転があるため、この日はノンアルワインで乾杯した。
「凛花、ジムでずいぶん体絞ったね?」
メインの国産牛フィレ肉に舌鼓を打つ私を氷室さんはまじまじと見つめる。
「そうですかね? ジム通いを初めてから節制はしてるんですけど、あんまり体重は変わらなくて」
「前から痩せてたからね。あんまり無理しない方がいいよ」
「全然痩せてませんよ。それに友達の成美と並ぶと、自分の横幅の大きさに恥ずかしくなっちゃいます」
自虐気味に言う。
こんな時間に何の用だろうと不思議に思いながら画面をタップする。
【今度の土曜日の夜、食事でもどう?】
それがお誘いメッセージだと気付いて、私はベッドから飛び起きた。
その日は仕事も休みで予定もない。正座しながら【行きます】と返事をすると、【楽しみにしてる】と返って来た。
「ひ、氷室さんとデート⁉」
私は胸にスマホを抱き締めて喜びに悶絶した。
そして、待ちに待った食事当日。氷室さんが最寄りの駅まで車で迎えに来てくれることになっていた。
夕方とはいえ、季節は夏真っ只中の八月だ。少し立っているだけで、ジリジリとしたアスファルトの熱に汗が噴き出る。
すると、ロータリーに白い外国製の乗用車が止まった。運転席に座る氷室さんが私に気付いて手を振る。
私は緊張気味におずおずと車の助手席に乗り込んだ。
「おまたせ。暑かったでしょ? 駅じゃなくて家まで迎えに行ったのに」
氷室さんは車内の冷房を強めてくれた。
「うちのアパート、ちょっとわかりずらい場所にあるので」
「そっか。じゃあ、行こうか」
「はい」
氷室さんはハンドルを握り、ゆっくりアクセルを踏み込んだ。
向かった先は東京都の港区にある臨海エリアだった。そこで、クルーズ船に乗り、ディナークルーズを楽しむ予定だ。
あらかじめ行き先を伝えられていたお陰で、ドレスコードの確認もできて助かった。
私はこの日の為に、白地に黒い花柄があしらわれている清楚なフレアワンピースを購入した。
髪の毛は緩く巻いてハーフアップにし、メイクもいつもよりも華やかに仕上げた。
「今日のワンピース可愛いね。凛花に良く似合ってるよ」
車が信号機で停まると、氷室さんは私に目を向けて柔らかい笑みを浮かべた。
優し気な眼差しを向けられて、くすぐったい気持ちになる。
「ありがとうございます。氷室さんも素敵です」
「よかった。凛花に言われると嬉しい」
信号の色が変わると、氷室さんは再び前に向き直った。
ネイビーのセットアップに黒いインナーを合わせた氷室からは男性の魅力がこれでもかというほどに溢れ出している。生地の質感や厚みから、高価な服であることが伺える。
黒い革靴はピカピカに磨き上げられ、ジャケットの袖からの覗く時計は見るからに高級そうだ。
今まで私には数少ないながらお付き合いしていた男性はいた。デートをするのは初めてではないのに、胸のドキドキが抑えられない。
私はそっと窓の外に目をやり、激しく鳴り響く心臓の音が氷室さんに伝わらないことを願った。
無事に運行時間前に到着し、クルーズ船に乗り込む。船の中心部はまるで高級ホテルのロビーのようだった。大きなシャンデリアが吊り下げられ、クリスタルが散りばめられた床はキラキラと輝いている。
まるで別世界へ来てしまったみたいな錯覚を起こす。
「す、すごい……」
感心しっぱなしの私を見て氷室さんはクスッと笑い、船内のレストランへエスコートしてくれた。
指定された席へ通され、私は感嘆の声を漏らす。窓際の席からは煌びやかな都会の夜景が一望できた。
氷室さんは運転があるため、この日はノンアルワインで乾杯した。
「凛花、ジムでずいぶん体絞ったね?」
メインの国産牛フィレ肉に舌鼓を打つ私を氷室さんはまじまじと見つめる。
「そうですかね? ジム通いを初めてから節制はしてるんですけど、あんまり体重は変わらなくて」
「前から痩せてたからね。あんまり無理しない方がいいよ」
「全然痩せてませんよ。それに友達の成美と並ぶと、自分の横幅の大きさに恥ずかしくなっちゃいます」
自虐気味に言う。