【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
「確かに末藤さんは一般的に見たらスリムな体型かもね。でも、俺が魅力を感じるのは凛花だけだから」
 氷室さんは優雅に肉を頬張りながら言う。その言葉に胸が温かくなる。
 彼はいつだって私を肯定する言葉をかけてくれる。
「ありがとうございます。お世辞だとしても嬉しいです」
「お世辞じゃない。本気でそう思ってるから」
 射貫くような眼差しに当てられ、頬が火照る。
それから私は美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、氷室さんとの楽しい時間を過ごした。
 食事を終えた後、私は氷室さんに誘われてオープンデッキに出た。船内の豪華な雰囲気とは一転し、心地の良い波の音に気持ちがリラックスする。
 キラキラと輝く夜景を静かに眺めていると、氷室さんが口を開いた。
「凛花と空港で初めて会った日からもう三か月か」
「そうですね。あっという間過ぎて、氷室さんと出会ったのが昨日のことみたいです」
 今までことを回想していると、潮風が吹いた。夏とはいえ、夜は少しだけ肌寒い。
 すると、氷室さんはジャケットを私の肩にかけてくれた。
「風邪をひいたら大変だ」
「ありがとうございます」
 ジャケットからはほんのりと甘いシトラスのような香りがしてドキッとする。
「この船、海の上に大きなハートを描いて走ってるから、恋人の聖地って言われてるんだって。知ってた?」
「知りませんでした。なんだかロマンチックですね」
 驚く私に氷室さんは続ける。
「ああ。だから、今日凛花と一緒にここに来たんだよ。恋人になれるようにって願掛けのつもりで」
「え……?」
すると、「凛花」と氷室さんが名前を呼んだ。
 顔を向けると、氷室さんは私の方へ体を向けた。その表情は真剣そのもので、思わず息を飲む。
「君が好きだ。これからもずっとこうやって隣で同じ景色を見ていたい」
 揺らぐことのない確かな口調で紡がれる愛の言葉に、胸が震える。
「氷室さん……」
「過去のこともあるし、俺をまだ信じられないかもしれない。でも、凛花へのこの気持ちは本当だから。不安だったらスマホも見てくれて構わない。もちろん、心配なら戸籍でもなんでも取ってくるよ。凛花が俺を信じてくれるように、これからも言葉と態度で愛を伝えていく」
 一度そこで言葉を切り、氷室さんは穏やかに私を見つめてハッキリ言った。
「必ず大切にすると誓うよ。だから、俺と付き合ってください」
 真摯な言葉に感極まり、目頭に涙が浮かぶ。
 氷室さんは熱い想いを私に伝え、不安を払しょくするような言葉をくれた。
 そこまで言われて彼を信じないわけにはいかない。
 初めての食事の後、氷室さんは一貫して私への想いを分かりやすく伝え続けてくれた。その真摯な想いは痛いぐらいに伝わってきた。
「本当に私でいいんですか……?」
「ああ。凛花じゃないとダメなんだ」
 彼の真っすぐな言葉が胸を打つ。
 きっと彼なら大丈夫だ。氷室さんを心から信じることができる。
私は決意を固め、彼にそっと微笑んだ。
「よろしくお願いします」
 そう告げた途端、ポロリと涙が零れた。
「凛花ありがとう……」
 氷室さんはそっと私の目の下の涙を指で拭い、愛し気に微笑んだ。その表情からは安堵だけでなく私への強い独占欲が伝わってくる。
「もう凛花は俺だけのものだ。一生離さないから。覚悟しててね?」
「はい」
「ようやく触れられる……」
 氷室さんはそっと私の腰を抱き寄せると、そっとキスをした。ひんやりとした唇はすぐに離れる。
「好きだよ、凛花」
「私もです」
 今度は先程とは違い深く甘いキスだった。誰もいないデッキで彼に抱き寄せられながら唇を食まれ、陶酔する。
 情熱的なキスを繰り返す私たちを、巨大なレインボーブリッジがまるで祝福するかのように優しく照らし出した。
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