【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる

 心も体も確かな絆で通じ合い、私達の関係は順調そのものだった。毎日のようにメッセージのやり取りをし、休みが合えば一緒に出掛けたり食事を楽しむ。
 ここ最近は私の大好きなカフェ巡りに付き合ってもらっている。翔真さんは私が喜ぶからと新しいカフェを見つけては、車であちこち連れて行ってくれた。
そんな私はここ数日、部屋の片付けに精を出している。というのも『今度、凛花の家にも遊びに行きたい』という翔真さんのリクエストに応えるためだ。
来週の休みに翔真さんを家に招こうと決めたそんな矢先、同期の成美から信じられない話が飛び込んできた。
 この日、早番の勤務を終えて十六時に帰り支度をしている時、成美が声を掛けてきた。
「凛花、あのね……。すごく言いずらいことなんだけど……」
 周りに人がいないことを確認した後、成美は何故か険しい表情でそう告げた。
「うん、どうしたの?」
 何かあったんだろうかと、私は真剣に成美の言葉に耳を傾ける。
「凛花って氷室さんとお付き合いしてるんだよね……?」
「うん、してるけど」
 翔真さんと付き合い始めた時、私は正直に成美に打ち明けた。
成美が翔真さんのことを気に入っていたのを知っていたし、後から知られて横取りしたと思われるのが嫌だった。
『え~、そうなんだっ。おめでとう』
 けれど、私の心配をよそに、成美は意外にもケロッとしていた。自分のことのように笑顔で祝福してくれた成美に私はホッと胸を撫で下ろしたのだった。
「あのね、氷室さんって既婚者だって知ってた? しかも、子供もいるって」
「え……?」
 成美の言葉に固まる。翔真さんが既婚者で、子供もいる……?
 頭の中でうまく事態を整理できない。
「待って。何かの冗談だよね?」
「ううん、本当。彼が公園で奥さんと一緒に子供を遊ばせてるのを見たって人がいて……」
 成美は公園の名称まで詳しく教えてくれた。そこは私が勤める保育園からもほど近い場所にある。
「まさか。誰かと見間違えたんだと思う。だって、翔真さんは休みの度に私と会ってくれてたもん」
 どうしても信じたくなくて、否定する。
「でもさ、パイロットの休みって変則的でしょ? 土日休みじゃないし、嘘つかれても分からなくないっ? 彼のシフト表なんて見たことないでしょう?」
「それはそうだけど……」
「パイロットって不倫とか浮気する条件揃ってるみたいだよ? ステイ先で自由な時間もあるし。お節介かなと思ったんだけど凛花のことがどうしても心配で。前にも一郎くんに騙されたことあったでしょ?」
 成美の言葉に過去の嫌な記憶が蘇り、ギュッと胸が締め付けられる。
 確かにあの苦い思いを教訓にして翔真さんとの付き合いも慎重を期したのだ。
「ありがとう。彼にもちゃんと聞いてみる」
 何とか笑顔を作るも、口元は動揺して引きつる。成美に別れを告げて保育園を後にすると、心臓がバクバクと不快な音を立てて鳴り続けた。
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