【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
【日本に帰って来たよ。あとでお土産渡すね】
 翔真さんからメッセージが届いていた。
【聞きたいことあります】
 その場で翔真さんに連絡を入れるも返事はない。
『彼が公園で奥さんと一緒に子供を遊ばせてるのを見たって人がいて……』
 成美の言葉が脳裏を過る。
 彼がその公園にいるという確証はない。ただ今は九月だ。子供を遊ばせるなら、気温の高い昼間ではなく早朝か夕方を選ぶはずだ。
 私はいてもたってもいられず、翔真さんがいないことを願いながら公園へ急いだ。
 広々した公園は地域住民の憩いの場になっている。散策路が整えられ、ランニングやウォーキングをする人たちの姿もある。子供向けの遊具がある方へ足を向けるも、まだ半信半疑だった。
 翔真さんは私の黒歴史も知っている。そんな彼が既婚者で、私を欺いていたなんて考えられない。
告白されて体の関係を結んだ後も、彼に疑わしい点は一切なかったし、心の底から私は彼を信じていた。
芝生の方へ足を向けると、数組の家族連れがいた。子供達は楽しそうな声を上げ、元気に芝生の上を駆け回っている。
「え……」
 その中の家族に目を向けた私はピタリとその場で足を止めた。
 周囲の音が遠退き、頭の中に静寂が訪れる。自分の心臓の音だけがやけに大きく鳴り響く。
 数十メートル先に、翔真さんがいた。白いTシャツにネイビーのスラックス姿の彼の隣には背中まである髪をひとつに束ねた女性がいる。
 ふたりはその場に腰を屈めて両手を広げる。すると、すぐそばにいた子供達が同時にふたりの元へ危なげな足取りで駆けて行く。
子供達の背丈は同じだ。ピンク色と水色の服を着ていることから、男女の双子なのかもしれない。
『おいでおいで』と芝生に両膝をついて手招きする翔真さんはまだヨチヨチとしか歩けない男の子を抱き上げて、頭を撫でた。
 その横顔は間違いなく、私の大好きな翔真さんだった。
 その隣で女性が女の子を抱き上げる。
 子供たちとお揃いの麦わら帽子を被る女性は笑顔の可愛い人だった。
四人で楽しそうに笑い合うその姿は、幸せな家族そのものだ。
 それを自覚した瞬間、顔から血の気が引いていく。外は暑いのに、指先が凍り付いたように冷たくなる。
 足元から崩れそうになる錯覚を覚え、必死になって踏ん張る。
 彼からすぐにメッセージが返ってこなかったのは、家族と一緒にいたから……?
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