【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
 そしてあの日、彼女がジムで倒れかけた時に俺は自身の気持ちに確信を持った。
 彼女に他の男が触れようとした瞬間、頭で考えるよりも先に『触るな』という言葉が口をついた。
 付き合っているわけでもないのに、彼女が他の男に触れられるのを想像しただけでどうにかなりそうだった。
 女性に対してこんな風に独占欲を露にしたことはない。かつて付き合っていた女性にも『私のこと本当に好き?』『翔真ってヤキモチとか焼かないよね?』と不満げに言われたこともある。
 そんな俺が、だ。自分でも信じられないが、凛花のこととなると話が違う。
 しっかりしているようで少し抜けたところのある彼女が心配でたまらず、庇護欲を刺激される。
 けれど、まだ完全には自分の気持ちに確証が持てずにいた。そんな時、一緒に食事をして彼女への想いを確信する出来事が起きた。
『それ、氷室さんの本心ですか?』
『氷室さんは今も私に上っ面しか見せてくれていない気がして。私と氷室さんは対等の関係ですし、気を使わず言いたいこと言っちゃってくださいね』
 彼女は何の躊躇もなくバシッと俺の心の奥底で燻っていた想いを言い当てた。
 だから俺は、今まで誰にも打ち明けたことのない本音を彼女に打ち明けた。
 俺は心から凛花を愛している。 
 こんなにも誰かを心の底から想うのは凛花が最初で最後だろう。
 できることなら今すぐにでも彼女と結婚した。心と体の繋がりだけでは満足できない。法的にも俺の妻になってもらいたい。
 彼女が独身だと知れば、余計な虫が寄ってくる可能性がある。リスクはできる限り排除しておきたい。
 そんなことを考えていると、兄が戻って来た。鍵を受け取ると、兄は何かを気にするかのように振り返った。
「どうしたの?」
「いや、さっき泣いている女性とぶつかってな」
「え、兄貴がぶつかって泣かせたんじゃないの?」
「バカ言え。ぶつかる前から泣いてたんだ」
「ふぅん」
 不服気に言うと、兄は小春さんと双子に声を掛けて足早に立ち去った。
 その後、目いっぱい遊ぶと双子たちはさすがに疲れた様子を見せた。
「小春さん、そろそろ帰ろうか」
「そうですね」 
俺は小春さんに声をかけ、帰り支度を始める。双子たちは俺の車に乗るとあっという間に眠りについた。
三人を家まで送り届け、俺はそのまま自宅マンションへ戻った。
すでに時計の針は十九時を回っている。
スマホを見ると、凛花からの【聞きたいことがあります】というメッセージが届いていた。
【うん、どうした?】
 すぐに返事をしてソファに横になる。
 国際線のフライトを終え、その足で双子たちと遊びさすがに疲れが出たようだ。
 凛花は仕事を終えてもう家に着いただろうか……。
 自然と瞼が重くなり、俺はそのまま夢の世界へ落ちて行った。
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