【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
「何してるの?」
 近付いて行き、同じように私も彼らの傍に腰を落とす。すると、翔真さんが振り返った。
「この公園、虫の宝庫だね。ほらっ、見て。オオカマキリを見つけたよ」
 彼は大人の指ほどの大きさのカマキリを指で掴んで私に見せつけた。
「ギャァアア!!」
 野太い声で叫んで咄嗟に飛び上がる。
 保育士として働いているものの、私は昔から虫が大の苦手だった。
 園児が『せんせいにあげる~!』とセミの抜け殻をエプロンにくっつけてきた時は生きた心地がしなかった。
 そんな私はもちろんカマキリなんてもってのほかだ。
「わ、私、虫はダメなんです!」
 恐怖に震えあがる私を見て、翔真さんと三つ子たちはゲラゲラと大笑いした。
「あははははっ。ママ、すごい声だったね。ギャアァだって」
 翔真さんは笑い過ぎて目に薄っすらと涙を浮かべている。
「ママかいじゅうみたい」
「ねっ、怪獣みたいだったね」
 晴翔の言葉に翔真さんが面白そうに言う。それにつられて奏翔と琉翔が「かいじゅうだ~」「ガオー!」と飛び跳ねる。
「ガオーは怪獣じゃなくてライオンじゃない……? まあ、いっか」
 照れくさくなりタジタジになる私を見て四人は再び楽しそうに声を上げて笑った。
 それから、四人は草むらの虫探しを再開した。虫嫌いな私はどうしてもこういう遊びを敬遠してしまっていたけれど、三つ子は地面に膝をついて夢中になっている。
 私は一歩下がったところで四人を見守る。
「そういえば、さっきのカマキリって茶色でしたよね? 緑ではないんですね」
 私が知るカマキリは緑色だ。
「カマキリって緑色と茶色が半々ぐらいで生まれるらしいよ。脱皮のタイミングで決まるとは言われてるけど、諸説あるらしい」
「へえ……奥深いんですね」
「って、あんまり興味ないでしょ?」
「あれ、バレちゃいました? 正直に言うと、虫たちは私の天敵なので」
 言い当てられて思わず吹き出すと、それにつられて翔真さんも微笑んだ。
虫探しを一通り終えると、三つ子は遊具に駆けて行く。翔真さんは幼児用の滑り台に三つ子と共に上り、ひとりずつ上から滑らせてくれた。
「ママ~見てて!」
「見てるよぉ~! 滑っておいで~!」
私は下でその様子を写真や動画に収める。
ひとりで公園へ連れてくるとこうやって写真を撮ったりする余裕なんてない。
一通り遊び終えると、「おなかすいたぁ~」と奏翔がぐずりはじめた。
確かにもうすぐお昼の時間だ。 
「翔真さん、そろそろ帰――」
「じゃあ、ご飯食べに行く?」
 翔真さんは私の言葉を遮るように、三つ子に尋ねた。
「いくっ!」
 虫探しですっかり翔真さんに懐いた三人はピョンピョンと跳ねて喜ぶ。
「ってことでいいよね?」
 翔真さんは有無を言わさぬ口調で言ってのけた。
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