【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
「座って。熱が下がったとはいえ、まだ油断は禁物だ」
 翔真さんは私をソファに座らせ、隣に腰掛けた。その顔にはほんの少しだけ疲れが見て取れる。
 今朝、国際線のフライトを終えて日本に帰って来たばかりなのだ。家に帰ることなく空港からアパートへ直行し、私や子どもたちの看病をしてくれた。
 相当な疲れがたまっているだろう。
「お仕事で疲れているのに私たちの看病までさせてしまって本当にすみません……」
 迷惑をかけたことを謝ると、翔真さんはふっと穏やかに微笑んだ。
「謝る必要なんてないよ。あの時、凛花が俺を頼ってくれたことが本当に嬉しかったんだ」
「翔真さん……」
「それに、三つ子は俺と凛花の子供だ。父親として自分の子どもの面倒をみるのは当たり前のことだから」
 彼の言葉に胸が震える。
「ただ……」
 すると、彼は神妙な面持ちを浮かべた。
 何を言われるのだろうと私はドキドキしながら次の言葉を待った。
「こうやって離れて暮らしていたら何かと不便だ。俺は子育てを凛花に任せっきりにしたくないし、子どもたちとももっと積極的に関りたいと思ってる。だから、凛花と子どもたちさえよければすぐにでも一緒に暮らしたい」
彼と再会した後、『家族になろう』と言われてもすぐに結論を出すことはできなかった。
 子どもたちが翔真さんを父親と受け入れてくれるかどうかも気がかりだったからだ。
 でも、今日の翔真さんと子どもたちの様子を見ていたらそんな不安は消え去った。子どもたちを一生懸命に看病するその姿から、子どもたちに対する父親としての献身的な愛情が伝わってきた。
 子どもたちも翔真さんを受け入れている。だったら、もう悩む必要なんてない。
 彼はそっと私の手に自身の手を重ね合わせた。
「俺は凛花を心から愛してる。だから、俺と家族になってほしい。必ず幸せにしてみせるから」
 覚悟を持った翔真さんの強い言葉にぽろりと涙が零れた。
 私や三つ子と家族になるということは、今日のようなことが度々起こるということだ。三つ子の育児は楽しいこともたくさんがあるが、その分大変なことだって多い。それを分かった上で、彼は私や三つ子と家族になることを望んでくれているのだ。
堰を切ったように涙が溢れて頬を伝う。
 翔真さんの確かな想いに触れてようやく決心が固まった。
「私も……翔真さんと家族になりたいです……。離れている間も……本当はずっとあなたのことが忘れられなかった……。今も……私は翔真さんを愛しています」
 私はありのままの気持ちを彼に曝け出した。
「本当に?」
「はい」
 私が頷くと翔真さんは眩いほどの笑みを浮かべた。そして私をギュッと抱き締めた。
「今まで子どもたちを大切に育ててくれてありがとう。これからはずっと一緒だ。ふたりで協力して、子どもたちを幸せにしよう」
「……はい」
 彼の大きな背中に腕を回すと、再び感情が込み上げて来て涙が溢れる。
「これから先、俺たちは何があってもずっと一緒だ。いいね?」
「はい。ずっと翔真さんから離れません」
その言葉に喜びが溢れ、私はこくりと頷く。
「ああ。二度と離すものか……。もう誰も俺たちを引き離すことはできない」 
 翔真さんはそっと腕を解き、私の涙を指で拭いながら決意を込めて言った。
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