【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
それから一週間が経ち、翔真さんの献身的な看病のお陰で私たちの体調はすっかり回復し、元通りの生活に戻った。
 そしてこの日の夜、仕事を終えた翔真さんが夕食を一緒に食べようと我が家へやってきた。
子どもたちには空港で売っている飛行機型のお弁当を買ってきてくれた。
「うわぁぁ~!!」
「ひこうきだ!!」
「かっこいい!」
 テーブルに並んだお弁当を見て、三つ子たちは大興奮でピョンピョンと飛び跳ねて大騒ぎだ。
 子どもたちは中に入っていたシールを見つけて、「はっていいのっ?」と翔真さんに尋ねた。
「もちろん。好きなところに貼っていいよ」
「やったぁぁ!!」
三人はお弁当箱にシールを貼るのに夢中になる。普段は三人とも飽きっぽくて集中して何かをすることはないのに、珍しく真剣なその姿に思わずくすっと笑いが込み上げてくる。
「飛行機型のお弁当カッコいいですね! こんな素敵なお弁当が売ってるなんて知らなかったなぁ」
「ずっと子どもたちにって思ってたんだけど、なかなかタイミングが合わなくて買えなかったんだ。ちなみに、俺と凛花はスタミナをつけるために焼肉弁当ね」
「お肉! 最高です……!」
 私たちは揃って食卓を囲み、美味しいお弁当に舌鼓を打った。
お風呂の時間になると三人は翔真さんの腕をグイグイと引っ張り「いっしょにはいろうっ!」と誘った。
「翔真さんは疲れてるから、ママと入ろう?」
「でも、たっくんはパパとおふろはいってるって」
「たっくんが? そっか。でも、パパでもママでもおじいちゃんでもおばあちゃんでも、お風呂に入る人は誰でもいいんだよ?」
 何とかなだめようとするも、晴翔が不思議そうに首を傾げてじっと翔真さんを見つめる。
 子どもたちには翔真さんは仲良しの友達だと伝えてある。
 翔真さんとやり直すことに決めたものの、いつ子どもたちに伝えるかまだ迷っていた。
 すると、翔真さんが姿勢を正した。
「三人に聞いて欲しい話があるんだ」
 その言葉に、三つ子たちが翔真さんを見つめる。
「俺は君たちのママがずーっと前から大好きなんだ。だから、ママと結婚して君たち三人のパパになりたい」
「翔真さん……」
 突然の告白に驚く。彼は相手が子どもにも関わらず、ひとりの対等な人間として真摯に言葉を紡ぐ。
「もちろん、晴翔くん、奏翔くん、琉翔くんが嫌ならすぐにとは言わない。でも、俺はママも君たちのことも絶対に諦めない。いつか必ず君たちのパパになって、家族になる」
 すると、翔真さんの言葉を聞いていた奏翔がモジモジしながら「いいよっ」と照れくさそうに言った。
「ぼくもいいよ」
 晴翔が続き、「るいたちのパパになって」と琉翔がはにかむ。
「……本当に? 君たちのパパになってもいい?」
「うん!」
 三人は満面の笑みを浮かべて頷く。すると、翔真さんは感極まったように「ありがとう」と目に薄っすらと涙を浮かべて微笑んだ。
「あー! ないてる~!」
「ほんとだっ」
 奏翔と琉翔が冷やかす中、隣に座っていた晴翔が翔真さんに腕を伸ばして頭を優しく撫でた。
「なかないでね。よしよしっ」
「ありがとう」
 その言葉に翔真さんは限界だったのか目を瞑って天を仰ぐ。
三つ子と翔真さんの心温まるやり取りをみていると、目には見えない親子の絆を感じて私まで胸がいっぱいになる。
「よしっ、三人とも今日はパパとお風呂に入ろう」
 翔真さんの言葉に子どもたちが飛び上がる。
「やったぁ~!」
「あわいっぱいのやつやるー!」
「泡風呂か? 俺は良いけど、一応ママに聞かないと」
 翔真さんが私に目を向ける。 
 以前、子どもたちに泡風呂がしたいとせがまれてやった時、消えない泡とぬめりで掃除が大変だった。
 でも、今日は特別だ。
「しょうがないなぁ。三人ともパパとやりたいんでしょ?」
「うん!」
「じゃあ、良いよ」
 私の言葉に子どもたちは大喜びだった。
 お風呂でたっぷり遊んだ子供たちが寝静まった後、私は翔真さんと揃ってソファに座りまったりとした時間を過ごしていた。
『俺は君たちのママがずーっと前から大好きなんだ。だから、ママと結婚して君たちのパパになりたい』
 子どもたちにもしっかり伝えてくれた翔真さん。三人とも翔真さんがパパになるのを喜んでくれた。
 今日、この日を迎えるまでに私達はたくさんの遠回りをしてしまった。
 けれど今、こうやって一緒にいられる奇跡に喜びが込み上げてくる。
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