【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
「凛花さんは大変だったでしょう? うちには息子がもうひとりいて、双子の子どもがいるのよ。双子だってすごく大変そうなのに、三つ子ちゃんでしょう? 赤ちゃんの時なんてほとんど眠れなかったんじゃない?」
 お母さんの言葉には私への労いと気遣いが感じられた。
「確かに当時はすごく大変でした。初めての育児で、しかも三つ子だったので」
「そうよね」
 お母さんがうんうんと相槌を打つ。
「でも、今は違います。この間私と子どもたちが体調を崩した時、翔真さんがすぐに駆け付けて献身的に看病してくれたんです」
 あの日のことを思い出すと、胸が温かくなる。仕事で疲れているはずなのに、自分のことよりも私達を心配する彼の姿にこれ以上ない愛を感じた。
「あの時翔真さんとなら協力して三人を育てていけると、確信できたんです。私にとっても三つ子にとっても、翔真さんはいなくてはならないかけがえのない存在です」
「凛花……」
 隣に座る翔真さんが少し照れたような笑みを浮かべる。
「翔真のことをそんな風に言ってくれてありがとう。これから翔真はもちろん、何かあれば俺たちも協力する。いつでも遠慮なく頼ってくれて構わないよ」
「ありがとうございます」
 お父さんの温かな言葉に感動しつつお礼を言う。
 結婚を認めてもらえたことにホッと安堵していると、懐石料理が運ばれてきた。
 さすがは高級料亭だ。豪華なだけでなく器にもこだわりが伺える。
 牡蠣と菜花の辛子和えや蒸しアワビなどどれを食べても新鮮で美味しい。
 子どもたちはハンバーグやエビフライなど大好物だらけのお子様御前に「わああ」っと目を輝かせた。
 よほど美味しいのだろう。三人は普段のように食事中に騒ぐことなくもりもりと幸せそうな表情でご飯を頬張る。
 食事をしながら、私は翔真さんのご両親とたくさんの話をした。そこで三つ子それぞれ性格や個性がまったく違うという話から、翔真さんとお兄さんの話になった。
「うちもふたり兄弟だけど、性格が全然違うのよ。兄の武尊は寡黙で厳格なの。その点、翔真は人当たりが良くて親が言うのもあれだけど手のかからない良い子でね。でも、いつも親が望む道を歩んでいるような気がしていたの」
「昔の話はやめてくれ」
 お母さんの言葉に翔真さんが渋い表情を浮かべる。
「だから、凛花さんとどうしても結婚したいって言う翔真を見て嬉しかったの。ああ、翔真にも本当に大切なものが見つかったんだなって」
 隣で冷酒を飲みつつ、お父さんが頷く。どうやらお酒に弱いらしく、耳まで真っ赤になっている。
「これからも翔真をよろしくね」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
 この場に来るまで翔真さんのご両親に受け入れてもらえるか心配していたけれど、優しく温かなお母さんの言葉に気持ちがほぐれていく。
すると、突然「ぶぶぶぅ~」という音がした。
 ハッと三つ子に目を向けると、食事を終えて大人たちの会話に暇を持て余したのか琉翔が唇を震わせて遊び始めた。
「ちょっ、琉翔!」
 慌てて止めようとすると、「るいがオナラした!」と晴翔が指差す。それを見ていた奏翔が「オナラ! オナラ!」と言ってケラケラと笑う。
「こらこらっ、大きな声出さないよ」
 一応個室で区切られているとはいえ周りのお客さんの迷惑にならないように注意すると、「ママこわぁい」と奏翔が立ち上がり翔真さんの膝の上に逃げていく。
「パパがいい~!」
 ちゃっかり者の奏翔は私に怒られるのを敏感に察したようだ。
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