【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
「彼女は俺が介抱するので大丈夫です」
「いや、でもひとりで運ぶのは無理だろう。俺達が――」
すると、氷室さんは男性たちを牽制するように私の体を軽々と抱き上げた。
「彼女は俺が」
男性たちに刺すような視線を投げかけ有無を言わさぬ口調で言う氷室さんに、男性たちはおずおずと引っ込んだ。
氷室さんはそのまま体調不良者が出た時に休むために設けられた静養室へ連れて行ってくれた。柔らかなフロアマットの上に私の体を横たえると、彼は私の隣で胡坐をかいて座った。
「あの……氷室さん、私……」
未だに何が起きたのかいまいち理解できずにいる私に氷室さんはやれやれと溜息を吐いた。
「貧血で倒れたんだよ」
「貧血……?」
「ああ。今日はいつもより高負荷で筋トレして無理してたよね。トレーニングに慣れて来たのは分かるけど、急に負荷上げすぎれば誰だってああなる。自分の限界を過信しすぎ」
氷室さんは、険しい表情で私の失態を指摘する。
「おまけに貧血起こしかけてるのに突然あんな勢いで立ち上がるなんて……。倒れて頭でも打ったらどうするつもりだったんだ。ちゃんと意識が戻るまで、心配でどうにかなりそうだった」
氷室さんは厳しい口調で私にお説教する。その表情は真剣そのものだ。
今まで、私は氷室さんを優しく気の良い人だと決めつけていた。けれど、意外に熱い一面もあるようだ。
「あの時、俺がそばにいて本当によかった。君は自分の女性としての魅力にもっと自覚持った方がいいよ。あの男達、前から君を狙ってたんだよ。さっきだって目配せして君を……」
「え?」
「まあいい。でも、もし俺がいなかったら見ず知らずの下心丸出しの男に抱きかかえられて、介抱する振りをして体に触れられていたかもしれないんだぞ。もっと危機感を持って」
「おっしゃる通りです……すみません……」
素直に謝罪する。
「俺に謝る必要はないよ。ただ、君は危なっかしい。前にも転びそうになっていたしね」
確かに空港でも氷室さんに体を支えてもらって助けてもらったことがあった。
「また今日みたいに無理をして倒れたらって心配だし、君をひとりにできない。これからジムに通う時は一緒にトレーニングしよう。とりあえず、連絡先を教えて」
「え、でも……」
氷室さんとはきっちり距離を取ろうと決めていた私はすぐに頷くことができない。
「あのさ、また倒れたらどうする気?」
「それは……」
私が渋っているのを見透かしたかのように、氷室さんが追い打ちをかけてくる。
確かに氷室さんに体を支えてもらっていなければ、倒れて大事になっていたかもしれない。彼は恩人だし、さすがにこれ以上避けるのは失礼だ。
痛い部分を突かれた私は、渋々氷室さんとの連絡先交換に応じた。
氷室さんは相当マメな性格のようで、パイロットという激務の合間にこまめに連絡を入れてくれた。
【今日ジム行く?】
【行きます】
【じゃあ、十九時に待ち合わせね】
日時を合わせてジムに通い、互いに汗を流す。
そんなある日、着替えを終えて店の外に出ると氷室さんから「お腹空かない?」と食事に誘われた。
「いや、でもひとりで運ぶのは無理だろう。俺達が――」
すると、氷室さんは男性たちを牽制するように私の体を軽々と抱き上げた。
「彼女は俺が」
男性たちに刺すような視線を投げかけ有無を言わさぬ口調で言う氷室さんに、男性たちはおずおずと引っ込んだ。
氷室さんはそのまま体調不良者が出た時に休むために設けられた静養室へ連れて行ってくれた。柔らかなフロアマットの上に私の体を横たえると、彼は私の隣で胡坐をかいて座った。
「あの……氷室さん、私……」
未だに何が起きたのかいまいち理解できずにいる私に氷室さんはやれやれと溜息を吐いた。
「貧血で倒れたんだよ」
「貧血……?」
「ああ。今日はいつもより高負荷で筋トレして無理してたよね。トレーニングに慣れて来たのは分かるけど、急に負荷上げすぎれば誰だってああなる。自分の限界を過信しすぎ」
氷室さんは、険しい表情で私の失態を指摘する。
「おまけに貧血起こしかけてるのに突然あんな勢いで立ち上がるなんて……。倒れて頭でも打ったらどうするつもりだったんだ。ちゃんと意識が戻るまで、心配でどうにかなりそうだった」
氷室さんは厳しい口調で私にお説教する。その表情は真剣そのものだ。
今まで、私は氷室さんを優しく気の良い人だと決めつけていた。けれど、意外に熱い一面もあるようだ。
「あの時、俺がそばにいて本当によかった。君は自分の女性としての魅力にもっと自覚持った方がいいよ。あの男達、前から君を狙ってたんだよ。さっきだって目配せして君を……」
「え?」
「まあいい。でも、もし俺がいなかったら見ず知らずの下心丸出しの男に抱きかかえられて、介抱する振りをして体に触れられていたかもしれないんだぞ。もっと危機感を持って」
「おっしゃる通りです……すみません……」
素直に謝罪する。
「俺に謝る必要はないよ。ただ、君は危なっかしい。前にも転びそうになっていたしね」
確かに空港でも氷室さんに体を支えてもらって助けてもらったことがあった。
「また今日みたいに無理をして倒れたらって心配だし、君をひとりにできない。これからジムに通う時は一緒にトレーニングしよう。とりあえず、連絡先を教えて」
「え、でも……」
氷室さんとはきっちり距離を取ろうと決めていた私はすぐに頷くことができない。
「あのさ、また倒れたらどうする気?」
「それは……」
私が渋っているのを見透かしたかのように、氷室さんが追い打ちをかけてくる。
確かに氷室さんに体を支えてもらっていなければ、倒れて大事になっていたかもしれない。彼は恩人だし、さすがにこれ以上避けるのは失礼だ。
痛い部分を突かれた私は、渋々氷室さんとの連絡先交換に応じた。
氷室さんは相当マメな性格のようで、パイロットという激務の合間にこまめに連絡を入れてくれた。
【今日ジム行く?】
【行きます】
【じゃあ、十九時に待ち合わせね】
日時を合わせてジムに通い、互いに汗を流す。
そんなある日、着替えを終えて店の外に出ると氷室さんから「お腹空かない?」と食事に誘われた。